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バナナマン日村(53)の勇気ある休養 タレントを「消耗品」扱いした悪習を終わらせる視聴者側の変化

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日村勇紀 バナナマン
(画像:「YOUは何しに日本へ?」公式サイト)
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しかし、コロナ禍ではその発想自体が成立しなくなった。体調が悪いのに無理をして現場に出ることは立派な行いではないどころか、周囲に迷惑をかける危険な行為になったからだ。健康状態を確認して、問題があるなら休む。それが社会的にも職業倫理としても正しいという空気が一気に広がった。

これは芸能界において大きな意識の転換だった。タレントが番組を休むことは、以前なら一種の職務放棄であると見なされた。だが、コロナ禍を経て、視聴者も制作側も、出演者が急に休むことに慣れてきた。代役を立てたり、リモート出演に切り替えたり、共演者が場をつないだりするのが当たり前の光景になった。

番組内で欠席理由を説明し、視聴者もそれを自然に受け入れる。それが積み重なったことで「芸能人も体調が悪ければ休んでよい(休むべきだ)」という考え方が一般的になった。

さらに重要なのは、コロナ禍が「芸能人が休むこと」の意味を変えた点である。それ以前の休養には深刻なイメージがつきまとっていた。休むということは、よほどの重い病気か、精神的な限界か、あるいは芸能活動の危機であるかのように受け止められがちだった。

しかし、コロナ禍以降、休養は特別なことではなく、「コンディションを整えるための一般的な選択」として見られるようになった。これは芸能界の労働観における決定的な変化である。

視聴者側の意識も変わってきた

かつては「スケジュールに穴を空けないこと」が芸能人にとってのプロ意識だった。今は「長く活動を続けるために必要なときには休むこと」もプロ意識の一部になりつつある。芸能界の空気はコロナ禍を境に確実に変わった。

ここで重要なのは、芸能界の中で変化が起きただけではなく、視聴者側の意識も変わっているということだ。一昔前の視聴者は、芸能人に対する憧れが今よりもはるかに強く、それゆえに多くのものを求めていた。ある意味では残酷な見方をしていたとも言える。

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【具合が悪いときは休んでほしい】

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