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「祖父に預けたヒヨコが"鳥刺し"に」「フェリーに乗ったら即うどん」…ジモト民が《黒豚・黒牛より愛する》鹿児島グルメ

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鹿児島
鹿児島人として、ぜひ県外の人に食べてほしい両棒餅(ぢゃんぼもち)。こちらは「平田屋」のもの(写真:筆者撮影)
  • 横山 瑠美 ライター・ブックライター
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1950年創業「こむらさき」のラーメンは1200円。たっぷりのキャベツは、栄養のバランスをとるために初代が考えたという。ちなみに、こむらさきは京セラ創業者の稲盛和夫さんも通ったお店として知られる(写真:筆者撮影)

福岡人からは不評?の鹿児島ラーメン

鹿児島名物の中で、筆者が比較的よく口にするのは鹿児島ラーメンだ。各店バラエティに富んでいて定義が難しいのだが、独断と偏見で言わせてもらえば、鹿児島ラーメンは豚骨と鶏ガラで取ったあっさり味のスープが特徴だと思う。

また、老舗の閉店に伴い減ってきたが、昔ながらの鹿児島のラーメン店は年配の女性が切り盛りするイメージが強い。緑茶と大根の漬け物が出てくるのも鹿児島流だ。もっとも昨今の物価高騰の影響か、漬け物を出すのをやめた店もあると聞く。

鹿児島人は、鹿児島ラーメンが大好きだ。一方、筆者の周りの県外人からの評判はパッとしない。特に福岡出身の友人知人のコメントは手厳しい。

遊びに来た福岡の男性からは「あれはラーメンじゃないね」と言われた。「どこに行ったの?」と聞くと、天文館の「こむらさき」だという。

鹿児島の有名店、こむらさきのラーメンはそうめんと見紛うような白い麺が特徴だ。かん水を使っていないため、麺にはコシがない。スープには昆布や椎茸のだしも使われているらしく、鹿児島ラーメンの中でも独特の個性を放っている。私はここのラーメンが好きなのでムッとしたが、博多ラーメンや長浜ラーメン、久留米ラーメンに慣れた舌には違和感があったのだろう。

ある女性から、「鹿児島のラーメンにはキャベツが入っているのが許せない」と言われたこともある。あらためて筆者が食べている鹿児島ラーメンを見ると、キャベツやもやし、ネギといった野菜が入ったものが多い。

2005年創業「よしみ屋」のラーメン(中)は800円。プラス100円で「もやし増し」もできる(写真:筆者撮影)
1949年創業「のり一」のラーメン(中)は700円。あっさりスープで、飲んだあとの締めにぴったり。やはり、もやしがのっている(写真:筆者撮影)
1967年創業「ふくまん」のラーメンは800円。緑茶と大根の漬け物を出してくれる(写真:筆者撮影)

しかし、筆者に言わせれば、肉も野菜も炭水化物も入った、バランスの取れた家庭料理のような趣き、これこそが鹿児島ラーメンだ。

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【鹿児島人はフェリーに乗ったら「うどん」を食べる】

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