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サガンやダリが教えてくれた「他人と違うことの価値」、パリで暮らして知った"ユニーク"の凄み

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パリの夕暮れ
パリの夕暮れ(写真:Kaori / PIXTA)
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この世にひとつしかないものや、この世にただひとりしか存在しないアーティストなどを表現するときに、フランス人は「ユニーク」という言葉を使います。

ひとりっ子も、フランス語では「フィーユ・ユニーク(ユニークな娘)」「フィス・ユニーク(ユニークな息子)」という表現で、いかにかけがえのない大切な存在かという気持ちを表しているのです。

こうしてユニークさや個性を尊ぶお国柄なので、日本だったらユニークな人と言うと変人に思われがちですが、フランスなら並外れた才能の人になるのです。

もっともユニークだった人

私が出会った人の中で、もっともユニークだったのは、バルセロナで会った画家のサルバドール・ダリでした。

サルバドール・ダリ(Salvador Dalí 1904.5.11-1989.1.23)
パリで活躍したスペインの巨匠。シュルレアリスムの画風で知られる。パリでは生きた豹を連れて街を歩いたり、エキセントリックな行動で人々を驚かせた。自己顕示欲の激しい人だったが、親しい人の前では常識的だったという。美しいパートナーのガラを女神のように大切にしていた。没後はダリの隠し子と称する女性が現れて、死後も世間を騒がせた。
サルバドール・ダリ(写真:ZUMAPRESS/AFLO)

1970年代の初め、バルセロナのホテルのロビーで、彼にインタヴューをすることになったのですが、美しい妻のガラをはじめ、数人の取り巻きとやってきたダリは、色の異なるジャケットを4、5枚レイヤードで着るという、実に奇抜な格好で、長椅子に斜めに腰掛けました。

「あなたにとって、怖いものは存在しますか?」と私が聞くと、「みんな、聞きなさい。僕がこの世でもっとも恐怖に感じるのは、うちのキッチンにいるゴキブリなんだよ」。

真剣な表情で、ダリはそう答えたものです。画風と同じくらい、ユニークな巨匠でした。

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