今のところ、政府は原油や石油製品の確保に傾注する一方、エネルギー需要の抑制には踏み切っていない。むしろガソリン価格や電気代を補助するなど、需要を喚起する政策を採っている。自粛や節約を呼びかけることは、「積極財政」の高市内閣としてはやりたくないのであろう。
ただしエネルギー補助金は、6月には財源が尽きることになっている。それまでにイランの問題が片付いているとは、少々考えにくいのではないか。
高市内閣は70年代の欧米と同じ轍を踏んではいけない
ここで思い出すべきは、70年代の石油ショックの経験である。エネルギー危機の際は、価格メカニズムを活かすことが重要だ。値段が高くなれば需要は抑制され、供給は伸びる。つまり足りないものは大切に使うし、代替品も出てくるというわけだ。70年代の2度の石油ショックの際、日本はエネルギー価格の上昇を容認し、結果的に省エネ技術が進化した。そして80年代には、「燃費のいい日本車」が世界を席巻したのである。
逆に当時の欧米は、消費者保護のために補助金を出すなどしてエネルギー価格を抑制した。その結果、財政赤字が拡大し、高金利の下でインフレが止まらなくなった。それを克服するためには、アメリカのポール・ボルカー議長(任期79~87年)の下での荒療治が必要であった。
今の高市内閣も、確実に当時の欧米の方向に進んでいる。予定通り、公約通りの政策を進めていって、積極財政に食品消費税の非課税などまで踏み込んだら、確実にインフレを加速してしまう。ここは立ち止まって考え直してみるべきではないか。
バックミラーに映る景色は、そのように告げていると思うのだが(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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