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ホルムズ海峡封鎖下の日本経済、高市内閣がこの夏以降も「エネルギー補助金」を続けるとどうなるだろうか

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6月14日で80歳になるトランプ大統領。イラン情勢は簡単に収まりそうにない(写真:ブルームバーグ)
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しみじみ思うのは、アメリカ軍とイスラエル軍によるイラン攻撃さえなかりせば、この春の日本経済はかなり有望だった、ということである。なんともトランプさんは余計なことをしてくれたもので、日本経済はヒト、モノ、カネが動き始めていて、賃上げも利上げも順調に進んでいたはずであったのだ。

「街角景気」は悪化、そろそろ「長期戦」の腹づもりを

明らかに悪化した経済指標と言えば、内閣府が4月8日に公表した「3月景気ウォッチャー調査」がある。景気の現状判断DIは2月の48.9から3月は42.2へ▲6.7pの下落。先行き判断DIに至っては、50.0から38.7へと▲11.3pもの下落となった。

この指標、タクシー運転手やコンビニ店主など、景気に敏感な職種の人々を対象にしたアンケート調査であり、別名を「街角景気」ということで有名だ。ただしこの調査は、企業関係者も対象となっていて、その中には以下のようなコメントも入っている。いずれも先行きが見えないことへの不安を吐露している。
* 今のところ、主要取引先の生産や計画に変化はないが、今後の中東情勢次第では影響が出てきそうである。先行きが不透明だ(北関東=輸送用機械器具製造業)
* 中東情勢の影響が出始めており、原料の納期が不透明になっているため、生産に影響が出そうである(南関東=化学工業)
* イラン情勢の変化による原油相場の高騰や、円安の継続によるさらなる物価上昇への不安がある。春闘で賃上げが進んでも、この情勢では実質賃金が前年割れとなる可能性が高く、全体としては不確定要素が多いため、やや悪くなる(近畿=窯業・土石製品製造業)

思うに経済指標とは、すべからく「過去」を示すものである。そして未来は、必ずしも過去の延長線上にあるものではない。ゆえにわれわれは、経済指標というバックミラーに映る過去を参考にしながら、未来を思い描いてハンドルを握っていくほかはない。

どう考えてもこの先、イラン情勢が簡単に収まるとは思えない。そしてホルムズ海峡危機が長引けば、世界経済は確実に苦しむことになる。中東依存度の高い日本経済も、相当な打撃を受けるはずである。そろそろマインドセットを変えなければならない。つまり長期戦の腹づもりをしたほうがいい、ということである。

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【エネルギー補助金は今後も継続すべきだろうか】

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