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ホルムズ海峡封鎖下の日本経済、高市内閣がこの夏以降も「エネルギー補助金」を続けるとどうなるだろうか

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6月14日で80歳になるトランプ大統領。イラン情勢は簡単に収まりそうにない(写真:ブルームバーグ)
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余談ながら3月の中東向け自動車輸出は3万6520台で金額は1593億円。割り算してみると、1台平均436万円ということになる。しみじみ高いクルマが売れているものだ。輸出はFOB(Free on Board)と言って、日本の港で商品を船に積んだ瞬間に売り手から買い手にリスクが移転する。

つまり船賃や海上保険などのコストは、輸入業者が負担することになっている。ドバイやリヤドのディーラーに並ぶ日本車の価格は、さらにセールスマンなどのコストも上乗せされるから、相当な高値になっているはずだ。

貿易立国たる日本としては、しみじみ世の中が平和であってほしい。平和な世の中であればこそ、日本製品が海外で売れて外貨がもたらされ、われわれは必要な資源やエネルギーを買うことができる。

いや、最近の輸入品目(2025年)を見ると、1位原油、2位LNGに続いて、3位医薬品、4位通信機、5位半導体等電子部品となっていて、今の日本は高付加価値のハイテク製品も海外から買うようになっているのだけどね。

4月公表の主要経済指標は意外と強いものが多いが……

こんなふうに日々の経済統計を追いかけていると、なんとも皮肉なものを感じてしまう。直近出てきた主要な経済指標は、意外と強いものが多いのだ。言うまでもなく、今はホルムズ海峡封鎖の問題があるから、日本経済は累卵の危うきにあると考えるのが自然であろう。とはいえ、4月には以下のようなデータが公表されている。

* 日銀短観3月調査:総じて底堅い印象。中東情勢を受けて、先行き3カ月の判断は製造業、非製造業ともに悪化したけれども、「AI需要はまだまだ強い」と感じさせるものであった(4月1日)。
* 2月の実質賃金:1.9%増で2カ月連続のプラスとなった。しかるにここへエネルギー情勢由来の物価上昇が襲い掛かることになる。当面は政府の補助金が物価を押し下げてくれるはずだが、いつまで続くかは見通しがたい(4月8日)。
* 預金・貸出金速報:全国銀行協会によれば、2025年度末の全国107行の貸出金残高は、前年度末比4.6%増の636兆2102億円。10年連続で過去最高で、「脱デフレ」は順調に進んでいる(4月9日)。
* 3月の訪日外国人客数:前年比3.5%増の361万8900人と、3月の最多記録を更新。中東や中国からの客数の減少を、他の国・地域からの増加分が補った(4月15日)。
* 2月の機械受注統計(船舶・電力を除く):13.6%増の1兆1159億円。受注額は2005年以降で過去最高。原発設備関連やガスプラントなどの大型案件があった(4月15日)。

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【景気を敏感に反映する「あの指標」は?】

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