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政治・経済・投資 #21世紀の証言

日本の生保業界は変化に適応できず、殻に閉じこもっていた/保険はもっとシンプルに安くできると確信した

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ライフネット生命保険創業者の出口治明氏(撮影:梅谷秀司)
還暦を前にして、21世紀の新しい保険の形をつくるために起業した出口治明氏(ライフネット生命保険創業者)の証言を全4回に分けてお届けする(第1回)。

司法試験に落ちて、たまたま入社した日本生命保険という組織で、ロンドン現地法人の社長や国際業務部長を務め、いわゆる出世コースを歩んできた。

しかし、組織というものは面白いもので、論理よりも秩序や力学が優先される瞬間がある。48歳のとき、社長が決めた海外事業縮小に強く反発したところ疎まれ、55歳でビル管理会社への出向を命じられた。

この四半世紀の主要な出来事や経済社会現象について、当事者たちの声を掘り起こす。

社長レースからの脱落は、世間一般の感覚では絶望の淵に沈むような事件だろう。しかし、奇妙な解放感があった。それは僕が組織の人間である前に、知的好奇心の塊のような人間だったからかもしれない。

歴史をたどれば、どんなに栄華を極めた帝国も、システムが硬直化し変化に適応できなければ滅びる。当時の日本の生保業界は、まさにその硬直の極みにあった。高すぎる保険料、不透明な手数料、そして「義理・人情・プレゼント」で売る昭和のモデル。これをおかしいと感じる自分の感覚を、組織の論理で押し殺し続けることのほうが、よほど苦痛だった。

一人の人間として何ができるのか

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