私の印象では、ピークは60代で、8割程度(大部分)が女性です。皮肉なことに、仕事、家事、育児、趣味などに一生懸命取り組んできた人ほど、手を悪くしやすいのです。
今から人生のやり直しはできませんので、現実を受け入れ、しっかりケアしていく方向にシフトチェンジしていきましょう。
また、両親からの遺伝的な要因や、女性の場合、更年期以降は女性ホルモン・エストロゲンの分泌量の低下が関係してくることもあります。とくに、指の第一関節に腫れや痛みが生じる「変形性関節症」は、ほかの手指の病気よりも比較的遺伝しやすく、中高年女性がなりやすいことがわかっています。
また、遺伝にかかわらず、更年期を迎えた女性は「腱鞘炎」にもなりやすいといえます。さらに、妊婦さんや子育て中の女性が、「ばね指」「手根管症候群」を発症することも多いです。
これらのケースは、完璧に予防するのは難しいものの、なってしまったあとに、悪化を防いだり、症状を緩和したりする効果的な方法はあるので、「仕方がない」で済ませないようにしましょう。やれることはたくさんあります。
「心の疲れ」を疑ってみることも大切
もう1点、少々やっかいなのは、うつ、不安、ストレスなどの心因的要因が痛みやしびれの程度に影響する場合があるということです。外見に大きな異常は見られなくても、「ものすごく痛い」「耐えられない」と訴える患者さんをこれまで何人も診てきました。
心因的要因が大きい場合、どうしても治療に対する効果が薄くなってしまうことがあります。痛みやしびれを増幅させている原因が、炎症や神経圧迫などではなく、心にあるからです。
「これは心因的要因かもしれない」
そのように感じた患者さんに対しては、真っ先に社会生活背景を聞き出し、現在の症状、治療方針、今後の見通しなどを丁寧に説明し、心から納得、安心してもらえるように努めます。
そして、患者さんの不安を取り除くことができれば、改善する可能性が高まり、患者さんに満足してもらうケースが増えます。
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【心身ともに、休息とリラックスが必須】
