車体は、トライデント660譲りの軽量スチールフレームをベースに、前後とも日本のショーワ製の調整式サスペンションを装着。車重200kgを切る軽量コンパクトな車体と相まって、軽さと安定感をバランスよく成立させている。
さらにブレーキには310mmダブルディスク+ラジアル4ピストンキャリパーを採用するなど十分な制動面を確保した。電子制御も抜かりなし。路面状況や走り方に応じて選択できる、ロード/レイン/スポーツの各モードに加え、コーナリングABSやトラクションコントロールを装備。クラッチを使うことなくギアチェンジ可能なクイックシフターやクルーズコントロールも標準装備し、日常からツーリング、スポーツ走行まで幅広く対応する。
メーターも今やバイクでも主流となったTFTカラーディスプレイを採用し、スマホ連携も備えるなど機能面も現代的だ。存在感あるスタイリングに、公道でしっかり楽しめる性能。トライデント800は脱大型バイク初心者を目指す人や普通のミドルクラス(排気量600cc前後を指す)から一歩踏み込みたいライダーに向けた、新たな提案である。
試乗インプレッション
溢れるトルクと魅惑のトリプルサウンド
キプロス島の入り組んだ市街地から高速道路、ワインディングまで約150kmの距離を、工場から出たてのトライデント800とともに走り込んできた。一見するとモダンなスタイルだが、丸型ヘッドライトや柔らかな面構成が効いていて、どこかクラシカルな気配も漂う。
新しさと伝統が自然に溶け合った、いかにもトライアンフらしい1台だ。弟分のトライデント660と比べると全体に引き締まり、よりスポーティで精悍な雰囲気に仕上がっている。
エンジンはタイガースポーツ800同系の実績あるユニットだ。以前そのタイガーに乗った印象も良かっただけに、試乗前から期待していたが、走り出した瞬間、その期待はあっさり更新された。
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【トライデント800の魅力は懐の深さ】
