―― “住まい防犯”で目指すべき状態をひと言で表すと、どんな状態でしょうか。
折元さん:「面倒な家」です。つまり、侵入に時間がかかる家ですね。
実際に捕まっている泥棒へのアンケート調査でも、「侵入に5分かかると7割が諦める」という結果が出ています。実際に留置場で聞いたときも、「そりゃそうですわ」と当人たちが口をそろえていました。犯人だって、リスクの高いことはしたくない。だから、絶対に破られない家を目指すというより、「ここはやめとこう」と思わせる家にするのが現実的なんです。
―― “完璧な安全”より、“やりにくさ”をつくるわけですね。
折元さん:他の家と比べて、自分の家のほうが面倒そうに見えればいいんです。泥棒って、比較のなかでよりリスクの低いほうへ行きますから。
スマートロックは「防犯性が上がる」とは限らない
―― 最近はデジタルキーやスマートロックをつける人も増えています。これは防犯対策になりますか。
折元さん:タイプによります。まず、自動施錠になることで、鍵のかけ忘れを防げるのは大きいです。デジタルキー導入で侵入手口の54.5%に対抗できるとされています。無締りの対策としてはかなり意味があります。
ただし、備え付けの鍵穴の上にかぶせるだけの後付けタイプは、利便性は上がっても、防犯性が大きく上がるとは限りません。もともとの扉の構造や、鍵が出入りする金属部分がそのままなら、物理的にこじ開ける手口には対応しきれない場合があるからです。
―― 便利さと防犯は、分けて考えたほうがいいんですね。
折元さん:その通りです。便利になること自体は悪くないです。でも“便利=安全”ではない。そこを混同しないほうがいいですね。
一方で、閉め忘れ防止という意味では大きな価値があります。だから、何に効いて、何には効かないのかを理解して使うことが大切です。
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【地味だけど効くのは“手間を増やす”対策】
