―― 同じように「防犯カメラあり」も安心材料に感じますが。
折元さん:これも言葉の印象が強すぎるんですよね。
「防犯カメラ」と呼ばれていますけど、実際の役割としては「監視カメラ」です。事件が起きたあと、捜査資料にはなります。でも、犯罪を未然に防ぐかというと、それは別の話なんです。
今は帽子にマスク、といういで立ちの人がいても、全然不自然じゃないですよね。そうなると、カメラがあっても顔がはっきり映るとは限らない。しかも泥棒側も、そこはわかった上で動いているわけです。
―― では、防犯カメラは意味がないんでしょうか。
折元さん:“使い方による”ですね。
例えばエレベーターの中の映像を、1階のエントランスで見えるようにする。そうすると、中で何か悪いことをしようと思った人が「ここでやったら見られるかもしれない」と感じてやめる。そういう設計なら抑止になります。
でも、ただカメラがついているだけで「この物件は安心」と考えるのは危ない。設備の名前ではなく、その設備がどう機能するかで見たほうがいいです。
侵入経路は意外なほど限られている
―― 入居者が自分で対策するなら、どこから始めるべきですか。
折元さん:玄関と窓です。そこが最優先です。
2024年の一戸建住宅の侵入窃盗は、侵入手口では「無締り」が47.6%、「ガラス破り」が35.7%。侵入口で見ると「窓」が52.9%、「表出入口」が22.0%で、窓と表出入口を合わせると約75%を占めています。つまり、“何から手をつければいいか”はかなりはっきりしているんです。
―― まずは鍵のかけ忘れと窓の対策なんですね。
折元さん:防犯というと、特別なグッズや高価な設備を思い浮かべる方も多いんですけど、その前にやるべきことがある。鍵を閉め忘れないこと。窓を破られにくくすること。ここをおろそかにして、別の設備だけ立派にしても、あまり意味がないんです。
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【侵入に5分かかると7割が諦める】
