―― 何も盗れなくても、ですか。
折元さん:犯人にとって一番怖いのは、出てきたところを誰かに見られて通報されることなんです。
留守だと見込んで盗みに入っても、家から出てきた瞬間に周囲に見られていたら終わりですよね。だからこそ、通行人が少ない、外からの目線が届きにくい場所はやりやすい。袋小路の奥って、そういう意味でかなり都合がいいんです。
―― 「静かな住宅街で落ち着いている」は、裏を返すと人目が少ないことでもありますね。
折元さん:そうなんです。もちろん静かな場所そのものが悪いわけじゃないです。
でも、“静かで落ち着いている”と“見守りの目が少ない”は、時に同じことでもある。物件を見に行ったときには、その場所が自分にとって心地いいかだけじゃなく、「第三者の目がどれだけあるか」も一緒に見てほしいです。
「非常階段近くの部屋」は安心どころか要注意?
―― アパートやマンションなどの集合住宅でチェックすべき場所は?
折元さん:非常階段の位置ですね。
例えばマンションだと、「非常階段に近いと、火事や地震など何かあったとき安心かな」と思う人も多いんですけど、防犯の視点では必ずしもそうではありません。非常階段の横の部屋って、泥棒からすると逃げ道を確保しやすい場所なんです。
もし何かしている途中で見つかっても、すぐ逃げられる。逆に、階段と反対側の部屋だと、逃げるときに他の住人と鉢合わせするリスクが高い。だから、最初に狙うなら非常階段側、という考え方が出てくるんですね。
―― かなり意外です。
次ページが続きます:
【集合住宅で見落としがちなポイント】
