たとえば
という指示と、
という指示では、返ってくるアウトプットの質がまったく異なります。
前者があいまいなのは、期待する成果(目的)や現状、必要な選択肢の数などが何も伝わっていないからです。AIはどんな方向で考えればいいかわからず、当たり障りのない回答しか返せません。
これは、AIへの指示に限った話ではありません。上司から仕事を依頼され、同僚に共有し、チームで議論する——ビジネスの現場で物事を前に進めるためには、常に同じ構造が必要になります。
(出所:たたき台の教科書)
期待する成果(目的)が明確で、現状が整理されていて、複数の選択肢が検討されている。
これが、仕事をうまく進める人の根幹にある考え方です。そしてこの構造を体現したものこそ、「たたき台」に他なりません。詳しくは『たたき台の教科書:頭の良さに頼らず一流の仕事をする技術』でも解説しています。
「良いたたき台」がわかっている人から仕事が進む
「良いたたき台が何なのかを知らなければ、AIに適切な指示を与えることはできない」——これが私の考えです。
つまり、AIを使って仕事を効率化したい人ほど、まず「良いたたき台」の構造を理解する必要があります。
AIは確かに便利なツールですが、あくまでも「入力した情報をもとに処理する」ものに過ぎません。仕事の目的が何で、いまどういう状況にあって、どんな成果を求めているのか——その「仕事の構造」を整理する役割は、依然として人間にあります。
この「仕事の構造を把握する力」こそ、AI時代に最も必要とされるスキルであり、たたき台を作る力はその訓練の場です。
私はこれまで、日系大手IT企業、世界トップクラスの外資系IT企業(いわゆるGAFAMのひとつ)、ベンチャー企業の立ち上げを経て、現在は中小・ベンチャー企業向けの経営コンサルティングを行っています。
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【仕事ができる人が当たり前にしていること】
