コミュニケーションを「あえて深めない」コミュニケーションツールの進化 離婚後の"連絡問題"も解決するアプリの凄み

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アプリの画面
ラエルアプリの親子交流調整フォーマット。お願い事項も書き込むことができて、変更履歴が残る仕様になっている(画像:アプリ「ラエル」より)

さらに、ラエルの利用者からはこんな感想を聞くこともできました。

同居親のOさん(アプリを利用)
「助かるのは、文字数が決まっているので長文の攻撃的なメッセージをもらわずに済むことと、いざというときの証拠としてメッセージを残せることです。いちばん気に入っているのは、嫌なことを全てラエルに閉じ込められること。LINEだと、他の人とやりとりするときに元配偶者のメッセージも見えてしまうけど、ラエルなら普段は忘れられます」
別居親のFさん(アプリ、連絡調整サポート、ADRを利用)
「元配偶者とのコミュニケーションに負担を感じているため、支援員に連絡調整を依頼しています。 直接のやり取りが減り、精神的なストレスはかなり減りました。ADRを利用したのは同居親の引っ越しがきっかけです。相手に大きく譲歩した形でしたが、家裁に行かずに済み、同意書が作成できたことには満足しています」

調停とADRの違い

パンク状態にある家裁は多いため、法務省はADR(裁判外紛争解決手続)の活用を推奨するようになっています。ADRを行う団体を複数取材したことなどで見えてきた調停との違い、そのメリット・デメリットを以下にまとめました。

<調停(家裁)>

形式…家裁で対面実施(事情があればオンラインも可能)。原則は父母別席で、順に調停委員と話す(必要があれば父母同席も可能)。裁判官、調査官(裁判所職員で心理学などの専門知識がある)、調停委員(有識者など)が関わる。調書として公式記録が残る。調停自体は安いが、弁護士にサポートを依頼するとその料金が別途かかる。

メリット…法的効力が強い。必要に応じて、調査官が子どもの意思や育児環境などを調査したり、財産開示のための調査嘱託をしたりも可能。

デメリット…1、2カ月に1回程度の開催で複数回行われることが多いので、終わるまでにかなり時間がかかる。実施が原則平日日中のみ。

<ADR(民間団体など)>

形式…形式や金額は実施団体によってかなり異なる。父母別席形式も同席形式もあり。オンライン形式も多い。弁護士の関わり方も多様。

メリット…調停より早く進められる。土日祝日や平日夜間も可能な団体が多いので仕事を休まなくて済む。

デメリット…法的効力は調停より弱い。子どもの意見などの調査は義務付けられていないため、父母の意見だけで調整が行われることが多い。同席形式で行う団体の場合、DVなどで配偶者との対面が難しい場合は実施が困難。

ADRで話がまとまらず調停にいくケースもあるそうですが、ADRで争点を明確にしてから調停にいったほうがスムーズに進むこともあるそうです。どちらの形式にしても、担当する人の当たり外れはかなりあると聞きます。上記の違いを考慮しながら、ご家庭のケースにあった形式を選ぶことも大事だと筆者は感じました。

ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)『ワンオペ育児モヤモヤ脱出ガイド』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

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