つまり、モチベーションを上げる方法は人それぞれであり、状況にも左右されるため、再現性が低いのです。一方で、モチベーションを下げる原因は意外と共通しています。
「理不尽なルール」
「成果が見えない」
「努力が報われない」
このように、多くの人が似たような理由で意欲を失います。そして、これらの要因は「環境」や「仕組み」を整えることで、ある程度コントロールすることができます。
たとえば、成果が見えないなら数値で進捗を確認できる仕組みを作る。理不尽なルールがあるなら、見直しや改善の提案を行う。努力が報われないと感じるなら、小さな達成を可視化する。
このように、モチベーションを「上げよう」とするのではなく、「下がる原因」を1つずつ取り除くことが、安定した行動を生み出すのです。
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」
これはプロ野球界の名将・野村克也氏も引用した松浦清(肥前国平戸藩主)の名言ですが、モチベーションもまったく同じです。
「不思議のモチベーションアップあり。不思議のモチベーションダウンなし」
やる気が上がる理由は偶然でも起こりますが、やる気が下がるときには必ず原因があります。だからこそ、その原因を1つずつ取り除いていくことが、モチベーション管理の最も確実な方法なのです。
モチベーション管理の本質は、「上げること」ではなく「下がる原因を取り除くこと」にあるのです。
人は「不確実」だと「不安」になる
なぜ、私たちのモチベーションは下がるのでしょうか。最大の要因は「不確実性」、言い換えるなら「見通しの悪さ」です。手順が明確で、その通りにやれば必ず達成できる。そんな状況であれば、誰もプレッシャーを感じません。
私はもともとシステムエンジニアでしたが、コンピュータの世界に「曖昧さ」はありません。命令通りにコードを書けば、その通りに動く。そこに「運」や「相手の機嫌」といった不確定要素は入り込まない。
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【新しい挑戦ならではの「不確実性」】
