NTTドコモ入社式「人文字ギネス」に批判殺到、防げなかった大企業の"致命的な盲点"と"アナログ回帰"ブランディングの罠

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そう考えると、新入社員の気持ちを先回りして、勝手に「嫌がっている」と決めつける行為には、いささか問題があるように感じてしまう。ただでさえ、SNSでは「意思」が見えづらく、あらゆる文脈がそぎ落とされる。

人文字の例で言えば、画像だけがひとり歩きしてしまい、その背景にある情報は、判断材料にならない。もっとも、たとえドコモ側が“社員のノリノリっぷり”をアピールしたとしても、「言わせている」と、さらにネガティブなメッセージをあたえてしまうため、あまり得策ではない。

いずれにせよ、当事者である新入社員たちや、企画した先輩社員たちの思いに関係なく、ネットユーザーの評価は進む。そして、拡散することで、増幅していく。最終的には「人文字そのものの是非」ではなく、「社風や労働環境」に焦点が移り、大きな風評被害に及ぶおそれもある。

企業側は炎上を予想していたか?

そこで、改めて考えたいのは、企業側がそうした声を予想していたかどうかだ。ドコモといえば、数日前にサービスを終了した「iモード」によって、モバイルの普及に多大な貢献をした企業である。SNS時代のブランディングにも柔軟に対応していてほしいが、果たしてそうなっていたのだろうか。

大企業の入社式は、広報イベントとして機能しがちだ。著名人のサプライズ登場など、報道各社による取材を前提とした「映える」演出は、今に始まったことではない。広告出稿となれば、多大な費用が必要だが、それよりは安価にメディアに露出できる。

今回のような「ギネス記録に挑戦」も、その一種だろう。ドコモ以前にも例はあり、例えば2025年10月には、みずほフィナンシャルグループが、内定式で「同時に折り紙でハートを作った世界記録」に挑戦している。各社報道によると、つながりや親睦を深める意図があったそうだ。

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