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世界的なエネルギー専門家エイモリー・ロビンス氏が語る「再エネ優位」の理由。日本企業のアメリカでの原発、火力投資は失敗に終わる

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Amory B. Lovins/RMI(旧ロッキー・マウンテン・インスティテュート)共同設立者兼名誉会長。半世紀の間、日本や中国、インド、ドイツを含む各国政府機関や70カ国以上の企業へ先進エネルギーや資源効率、戦略、安全保障について助言。エネルギー分野、特にエネルギー効率や持続可能なエネルギー供給、そして統合的設計の世界的権威として知られる。2013~16年には、中国国家発展改革委員会のために中国のエネルギー転換に向けた画期的なロードマップを作成し、「第13次五カ年計画」策定の情報源となった(撮影:今井康一)
アメリカの非営利のエネルギーの専門研究機関、RMI(旧ロッキー・マウンテン・インスティテュート)共同設立者兼名誉会長のエイモリー・B・ロビンス氏は、世界で最も高名なエネルギー分野の専門家の1人だ。ロビンス氏は1970年代にいち早く、再生可能エネルギーが将来のエネルギーシステムの主役になることを見抜き、論文に発表した。それから50年後の現在、ついに化石燃料中心から、再エネ中心へとエネルギーの歴史が変わろうとしていると同氏は指摘する。

──中東で戦火が拡大する一方、アメリカではトランプ政権が気候変動問題への取り組みや再生エネルギーの拡大という、これまでの政策を根本から否定しています。

アメリカでは、対イラン戦争は大変不人気だ。とりわけ無党派層の間で人気がない。そもそもトランプ大統領の支持層はアメリカが戦争に巻き込まれることに反対の立場を取っている。しかし今回、トランプ大統領は自らの判断で戦争を起こした。

アメリカの現在の政治情勢は異例であり、永続的なものではない。今年11月の中間選挙では、上院下院のどちらか、あるいは両方で現政権は敗北する可能性がある。連邦最高裁判所も大統領のアクションの3分の2について違法だという判断を下している。

米政権の方針転換でも再エネ優位は不変

──トランプ政権によって、アメリカのエネルギー政策は変わりますか。

アメリカでは電力などの許認可権限は州が握っているため、州の動向が重要だ。実際、州の約半数は現在の連邦政府の政策に反対している。

テキサス州のように共和党が政権を握っている州でも、エネルギーをめぐる政治的な立場と実際の動きは大きく異なる。同州は太陽光発電および風力発電の導入で全米のリーダーであり続けている。トランプ大統領がどう言おうと、再エネ拡大の流れは止まらない。

石炭を復活させるとトランプ大統領は言っているが、エネルギー消費の面では最近少し増えた程度で、長期的な減少のトレンドは変わらない。(石油や天然ガスを含めた)化石燃料全体を見ても、再エネには勝てない。

それを端的に物語っているのが、2025年の新規電源投資の93%が太陽光や風力発電などの再エネおよび蓄電池によって賄われているという事実だ。

残る7%はガス火力発電だが、再エネとは競争にならない。というのも、(1)二酸化炭素(CO₂)の排出量の多さ、(2)メタン排出量の多さ、(3)ガス価格の乱高下という3つの問題を勘案しなければならないためだ。メタン排出を加味した場合、天然ガスの温室効果は石炭と同等だと言える。ガス価格は変動が大きく、容易に2倍になりうる。

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