「EVがものすごい勢いで売れている」…イラン戦争によるガソリン価格の高騰で自動車販売の最前線に大きな変化

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英ロンドン南西部で中古電気自動車(EV)の販売店を営むマーティン・ミラーさんとエステルさん。英ギルフォードで3月13日撮影(写真:ロイター)

イラン戦争でガソリン価格が高騰し、自動車のメーカーやディーラー、そして給油のためにガソリンスタンドを訪れる車のオーナーの間では不安と先行き不透明感が広がっている。しかし英ロンドン南西部で中古電気自動車(EV)の販売店を営むマーティン・ミラーさんにとって、ガソリンの値上がりはビジネスチャンスだ。

ミラーさんは、2月28日にイスラエルと米国によるイラン攻撃で今回の戦争が始まってから1週間後に、これまでで最も多忙な土曜日を迎えた。今は在庫の積み増しを急いでいる。「車は本当に、ものすごい勢いで売れている」状況で、店を訪れる顧客の間ではガソリン価格がさらに上昇するのではないかとの懸念が強まっているという。従業員はオークションでEVを「狂ったように」買い付けているが、これは「この流れが今後も続くと確信しているからだ」と明かした。

英政府のデータによると、3月16日時点で国内では1リットル当たりのガソリン価格が戦争開始以降7%上昇。欧州連合(EU)欧州委員会のデータでは、EU域内の価格は8%上昇した。また、米エネルギー省エネルギー情報局は17日、国内のガソリン平均価格が2月下旬以降27%上昇し、1ガロン当たり3.72ドルになったと発表した。

消費者行動の変化

歴史的に見ると、原油価格の急騰は消費者の自動車購入行動に構造的な変化をもたらしてきた。1970年代のエネルギー危機の際に米国の消費者はより小型の車を選ぶようになり、日本の自動車メーカーが優位に立ち、米国メーカーのシェアを侵食した。

アナリストの見立てでは、今回の急激な燃料価格上昇ですぐに消費者の新車購買行動が大きく変わる可能性は低い。消費者がより燃費の良い車へとシフトするには、ガソリン価格が上昇を一定期間続けるか、心理的な節目を超える必要があるという。

オンライン自動車販売カーグルズの経済・市場分析ディレクター、ケビン・ロバーツ氏は「消費者はガソリン価格に非常に敏感だが、(消費行動が変わるには)ある程度の節目に達する必要がある。1ガロン当たり4ドルが注目すべきラインかもしれない」と述べた。これは22年にロシアによるウクライナ侵攻後の原油価格に起きたショックでEVへの関心が高まった時点の水準だ。

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