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「父が見放すほど劣等生」スピーチの天才"チャーチル"実は演説が苦手な過去

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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チャーチルが徹底して自分の引き出しを増やしたのは、ある苦い経験から学んだことだった。

下院議員となって間もない頃のことだ。チャーチルは議会で発言中に突然、言葉を失ってしまった。着席を余儀なくされたチャーチルは、大きなショックを受けたという。

その日以来、演説は必ず原稿を用意して、入念に準備することを心がけた。戦争中、多忙になると、秘書に口述筆記をさせてまで、演説の原稿を作り上げた。そして原稿を徹底的に暗記して、何度もリハーサルを行うのが常だったという。

あるとき、チャーチルが入浴中にぶつぶつ言っているので、新人の召使いが「私に何かお話しになりましたか」と聞くと、こんな返答があった。

「今、僕は下院の議場で話しているのだ」

スピーチにのぞむ努力の天才

チャーチルは64年間にわたり、ほぼ切れ目なく議員として毎月何十もの演説、発言、質問を行った。公表された演説だけでも18巻、8700ページにのぼるというから凄まじい。

「スピーチの天才」とも評されるチャーチルだが、それは「スピーチにのぞむ努力の天才」だったということがわかるだろう。

そのうえ、チャーチルは執筆活動も精力的に行った。全部で31冊の著作を残し、そのうち14冊は書き下ろしだ。第一次世界大戦、第二次世界大戦について、それぞれ歴史書も出版している。

そして1953年、チャーチルはノーベル文学賞を受賞する。受賞理由は『第二次世界大戦(回顧録)』に見られた「歴史的で伝記的な文章で見せた卓越した描写と、高邁な人間の価値を擁護する卓越した雄弁術」である。

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