アニメの次は「お笑い」が世界を制す? 「笑ってはいけない」海外展開が単なる"番組の輸出"にとどまらない大きな意味
どうやっても日本の「お笑い」は海外展開できない――。多くの人がそう思い込んでいた。だが、その突破口が、個々のネタや芸ではなく、番組企画そのもののフォーマット化にあった。
「笑ってはいけない」の企画の核である「笑ってしまったら罰が待っている」というゲーム性は、国や文化を超えたフォーマットになりうる。笑いたいのに我慢する姿には、普遍的な面白さがありそうだからだ。どう笑わせるかは、それぞれの国の文化に沿って知恵を絞ればいい。
核となる部分は日本製、どう仕上げるかは各国仕様のフォーマット販売が成立しそうだ。これなら海外展開が可能になる。もちろん、普遍性のある“核”があるから成立する話で、それがない番組では無理だ。吉本とバニジェイの提携は「笑ってはいけない」を世界へ広げる期待を感じた。
フォーマット販売で成功した先行事例
今回の展開には、2社の提携の先例がある。16年にAmazonプライム・ビデオ向けに制作された「ドキュメンタル」だ。芸人10人が各自100万円を持ち寄り、密室の中で笑わせ合う「芸人バトル」のコンセプトは、「LOL: Last One Laughing」という名でフォーマット化され、バニジェイによって世界展開された。
「LOL」はフランス、ドイツ、イタリアではプライム・ビデオ史上「最も視聴されたタイトル」に輝き、25以上の国・地域でローカル版が制作された。それぞれの市場で「地元の番組」として受け入れられ、大きな成功例となったのだ。
今回の「笑ってはいけない」フォーマット権の取得は、その実績を土台にした第2弾になる。「ドキュメンタル」で築いた吉本とバニジェイの信頼関係と流通網が、今回の提携を可能にした最大の要因といえるだろう。
ただ、懸念は尽きない。「笑ってはいけない」が持つ独特の緊張感は、フォーマット化によって失われかねない。また、何が「思わず笑ってしまう」行為なのかは、文化ごとに違うだろう。フォーマットを薄めると、ただの罰ゲーム番組に堕してしまうリスクもある。
また、日本では大晦日に、その年の話題の著名人が、その人らしからぬバカをやることで大爆笑を生んだ。それらをはじめ、長期間にわたって準備したネタを年に1度だけ放出するから笑えた。
そうすると、同じように年に1度の大きな節目で放送するやり方になるのか。だが、もともと「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の1コーナーとして始まっているのだから、レギュラー番組化できるのかもしれない。何がどんな形なら通用するのか、議論はキリがない。もちろん、吉本興業とバニジェイは実現に向けて議論を重ねていくのだろう。その成果を見守りたい。





















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