「高すぎて頼めない」「配達員も稼げずどんどん離脱」…ウォルトが「日本撤退」を発表。現役配達員が感じていた"予兆"とフーデリ業界の厳しい現状

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冷静になって考えてみると、悪天候時に高額なインセンティブを用意するのは、そうしなければ配達員が集まらない(つまり配達遅延が発生してしまう)など、「お金で配達員を釣らなければならない」理由があるということだろう。

これまた冷静になって考えてみると、私が得た報酬すべてを利用者(お客様)の支払いで負担できているとは到底考えづらい。このとき私が運んだのは1人前のマックのセットメニューだったのだが、この商品代金に私の報酬、ウーバー側のシステム料や人件費などを加えると、仮にお客様の支払いが2000円でもおそらく足りないはずだ。

ではもし配達手数料など価格設定を引き上げた場合、いったい何人の方がウーバーを使ってくれるのだろうか。とはいえ配達員のインセンティブをゼロにすれば、まず間違いなく私はモチベーション不足で稼働しなかった。平常時の注文数が減少しているため売り上げが立ちにくく、低価格戦略で殴り合う業界の構造もあるわけで……。

私が何を言いたいか。フードデリバリー業界のビジネスモデルそのものが、右に行くも地獄。左に行くも地獄。各社が解決策を見つけられないまま、日に日に企業体力を削られて「限界」に近付いている気がしてならない。

今後どうしていくべきか…岐路に立たされる業界

平常時は注文数の減少に苦しみ、稼ぎ時では配達員の減少に苦しむ……。料金を値上げすれば顧客離れが進んでしまう恐れがあり、さりとて配達報酬を引き上げなれば配達員が稼働してくれない……。

Woltのスピード感のある撤退判断(それでも地味に6年も日本で展開されていたが)には驚いたが、本件はフードデリバリー業界の「現場の悲鳴」を象徴していると私は感じたし、「Woltだけで終わらないんじゃないかなぁ……」「今のままじゃフードデリバリー業界そのものがマズそうだよなぁ……」というのが私の素直な感想だ。

ギグワークという流動性の激しい人材を扱う、各社で差別化が難しい業界だからこその深刻な課題が、今浮き彫りになりつつある。持続可能なビジネスモデルをどうやって構築していくか、フードデリバリー各社の今後の動きに目が離せない。

ウーバー配達員ライターとして、これからも現場の情報をデリバリーできるよう頑張ります(筆者撮影)
佐藤 大輝 肉体派ライター・ウーバー配達員ライター

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さとう・だいき / Daiki Sato

生活を回すために自転車のペダルを回して、気が付けば配達件数8000回以上。奨学金約500万円の返済や、人生2回の不当解雇。健康保険証のない状態での大怪我や、資産運用での大失敗など、ジェットコースターのような人生を歩んできた異色のライター。「東洋経済オンラインアワード2025」でニューウェーブ賞を受賞。行動力と取材力、打たれ強さに定評がある。1990年生。横浜→東京→埼玉→茨城→神戸。社会に出てから40カ国以上を旅したがTOEICは300点。不当解雇とウーバーの本を出すのが夢。

X:@do69951367

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