出会いはパーティー《推しと結婚》した彼女の半生 夫は著名ギタリスト…23歳の彼女を海外に渡らせた「超運命的な出会い」とは
「横顔が載っているCDはあったけど、顔を知らなくて、本人だとまったく気づきませんでした。まさか、本人だなんて思いもよらなかったんです」
カニサレスもまた、驚いていた。スペインから遠く離れた日本で、自分の音楽をここまで聴き込み、理解してくれている人に初めて出会った——そう感じたのだという。
その日から、日本ツアーの全公演に同行させてもらうことになった。東京、大阪、埼玉。ツアーバスに乗せてもらい、関係者席で毎晩コンサートを観た。
「今まで音でしか知らなかった演奏が、目の前で奏でられている。どうやってギターを抱えているか、どんなふうに右手を動かしているか、全部見られる。夢を見ているみたいでした」
約12日間のツアーが終わり、パコ・デ・ルシア一行がスペインに帰る日が来た。成田空港で見送るとき、カニサレスはこう言った。
「スペインの僕の家においで。空港まで迎えに行くよ」
マドリード行きの機内で涙が止まらなかった
7月、23歳の真理子さんは、スペイン行きの飛行機の中で、一睡もできずにいた。
帰りのチケットは買っていない。日本での生活をすべて畳み、当初より2カ月早く渡航した。機内の明かりが落ちると、不安が胸の奥で膨らみ、涙が止まらなくなった。
「本当に来るのかな、って。日本ツアーで一緒に過ごしたのは事実だけど、彼が自分の生活に戻ったとき、そこに私の場所はあるのか不安になりました。各港に恋人がいるのがアーティストなのかもしれない。そう思うと怖くて……」





















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