「安月給で働き、年金もロクにもらえず死ぬ」。令和に絶望する大人たちが"80年代"コンテンツに逃避する切実な理由
これに対し、主人公3人組は「ロスジェネ世代」。バブル崩壊後の1993〜2005年頃に社会人となった就職氷河期世代だ。中学時代は映画研究部でジャッキー・チェンらアクションスターに憧れて映画製作に熱中する一方で、「ノストラダムスの大予言」に翻弄され、世に出た頃には厳しい経済不況が待っていた。
物語の軸は中学時代の臨時教師・“マチルダ”こと宮下(木竜麻生)が行方不明となった真相を追う中で巻き起こるヒューマンコメディーだが、そこにSFや青春ドラマの要素も盛り込みながら現代の中年らしい苦悩をあぶり出して進行する。「80年代に青春時代を過ごした3人」という設定は、この世界観と非常に相性がいい。
改めて振り返ってみると、昨今は80年代にスポットを当てたドラマがたびたび制作されるようになった。
18年の『今日から俺は!!』(日本テレビ系)、19年の『全裸監督』(Netflix)をはじめ、24年の『不適切にもほどがある!』(TBS系)、『極悪女王』(Netflix)、25年の『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)もこれに該当する。
友近とクリエイティブチーム「フィルムエスト」がタッグを組んだ2時間サスペンス風のYouTubeドラマ『友近サスペンス劇場』(24年公開)や『人情刑事 呉村安太郎』(テレビ東京系。25年8月放送)も、80~90年代のVHS時代を思わせる映像表現や演出が施されており大きな話題となった。
かつて、これほど80年代をテーマとするドラマが制作された時代はなかったのではないだろうか。
80年代バラエティの焼き直し企画も乱立
ドラマだけではない。バラエティー企画も80年代を想起させるものが増えている。
23年には、アクションバラエティー『風雲!たけし城』(TBS系。86~89年)がAmazon Prime Videoで復活。「竜神池」「ジブラルタル海峡」といった名作ゲームのほか、超巨大ブロックを飛び越える「ブロックブロック」、飛び出すバーを避けて橋を渡る「右から左から」などスケールアップした新作ゲームも登場し盛り上がりを見せた。




















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