インベスターズクラウド

「無在庫×IT」という新しいアパート投資企業 急成長のカギは「オーナーのコスト削減」

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古木社長が当時、はじめに配属されたのは管理部門。しかし経営者になるためには営業の経験が必要と思い、休日を返上し自発的に営業へ回った。その業績が認められて営業部門へ異動した後も、アパートを売るために朝から晩まで働いた。その頃を振り返り、古木社長はこう語る。

「いずれ独立することを考えていたので、そのための経験を積む時間だと考えていました」

IT知識ゼロからHPを開設
アナログな業界慣習を効率化

転機となったのは04年、勤務していた会社でアパート経営に特化したHPの開設を任されたことがきっかけだ。当時の古木社長にITリテラシーは皆無。しかし予算の都合から、すべて自分の手でメディアを制作することになった。

「実際にHPを立ち上げてみると、毎月5000円のサーバー料を支払うだけで全国から問い合わせが殺到。これまでは飛び込みの営業を行っていたので、ネットの効率の良さを改めて実感しました」(古木社長)

これからはアパート投資もインターネットの時代になる。こうした確信のもと、06年にインベスターズクラウドを創業。仕入れた土地にデザインアパートを建設し、ネットで集客した顧客へ販売するビジネスモデルは見事に当たり、売上高は初年度に9320万円、次年度は11億8599万円と順調に成長。会社の先行きは明るいかのようにみえた。

インベスターズクラウド
代表取締役社長
古木大咲

しかし翌年、状況は一変する。

08年に発生したリーマンショックは不動産価値を暴落させた。アパート投資会社は倒産が相次ぎ、インベスターズクラウドも創業以来の危機に見舞われる。仕入れた土地の在庫を抱えているにもかかわらず、銀行からの融資が下りない。

「不動産業はキャッシュフロー経営に弱く、在庫リスクが高い。ビジネスモデルの転換を迫られました」(古木社長)

どうすれば在庫リスクを背負わずに、無借金経営を行うことができるか。そこでたどり着いたのが土地を保有しない現在のビジネスモデルだ。土地を保有しないとはどういうことか?

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