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朝ドラ「ばけばけ」第65回は完璧な神回!まさに運命の人…ハーンを大喜びさせた小泉セツの意地悪とは?

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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セツは、ハーンの好きなものや、嫌いなものもよく理解していた。こんなふうに振り返っている。

「ヘルンの好きな物をくりかえして、列べて申しますと、西、夕焼、夏、海、游泳、芭蕉、杉、淋しい墓地、虫、怪談、浦島、蓬莱などでございました。場所では、マルティニークと松江、美保の関、日御崎、それから焼津、食物や嗜好品ではビステキとプラムプーデン、と煙草」

淋しい墓地や怪談を好んだ点では、ドラマにあった通りの人物だったようだ。一方で、セツは嫌いなものについてもこう挙げている。

「嫌いな物は、うそつき、弱いもの苛め、フロックコートやワイシャツ、ニユーヨーク、そのほか色々ありました」

加えて、騒がしいところが嫌いだったようだ。あるときは鳥取県で温泉宿に入るやいなや、ほかの宿泊者たちが酒を飲んで騒ぐのを聞いて、「地獄です、一秒でさえもいけません」とすぐさま宿を変えたこともあった。

ハーンは、こんな穏やかな時間が好きだったという。

「先ず書斎で浴衣を着て、静かに蝉の声を聞いて居る事などは、楽みの一つでございました」

松江城近くの武家屋敷でともに暮らすが…

ハーンが、そんなよき理解者であるセツと出会ったのは、明治24(1891)年2月上旬頃のこと。松江の寒さに襲われて、風邪を引いてハーンが寝込んでしまったことから、ハーンが住む借家に、セツが住み込みで働くようになったのが、出会いのきっかけだった。

それからさらに半年後の明治24(1891)年6月22日に、松江城近くの武家屋敷へと引っ越しをし、二人は夫婦生活をスタートさせる。よき伴侶も得て松江で幸せな日々を送ったが、それから5カ月弱でハーンは転任することになる。

二人は明治24(1891)年11月に、熊本の地でまた新たな生活を始めることとなった。

【参考文献】
E・スティーヴンスン著(遠田勝訳)『評伝ラフカディオ・ハーン』(恒文社)
牧野陽子著『ラフカディオ・ハーン-異文化体験の果てに』(中公新書)
遠田勝著「書簡が語る八雲の生涯」『無限大 №88』(日本アイ・ビー・エム)
小泉八雲著、池田雅之編『小泉八雲コレクション さまよえる魂のうた』(ちくま文庫)
小泉節子著、小泉八雲記念館監修『思ひ出の記』‎(ハーベスト出版)
小泉凡著『セツと八雲』(朝日新書)
NHK出版編『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』(NHK出版)
工藤美代子著『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』(毎日新聞出版)
櫻庭由紀子著『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』(内外出版社)

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