「育休もらい逃げ」は本当にずるいのか?"制度悪用"との批判相次ぐも、実際の退職率は女性6.8%<財源は雇用保険、退職で保育園不利の事情も>

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

“働け働け社会”の中で、働く者同士のいらぬ対立が作り出されているとしたら、それは不幸なことで、出生率低下の大きな要因となっている可能性があります。

育休転職はたやすくはない

「育休中に勉強して転職」という相談に、育休者が特別な恩恵を受けているという印象を受けた人も少なくないと思います。

しかし、乳児をかかえて勉強や転職活動をするには、強靭な精神力が必要です。

また、自分の希望に合い、育休者の採用に積極的な企業に出会うチャンスが、どこにでも転がっているわけではありません。

保育園事情にも注意が必要です。

元の職場を退職し次の職場が決まらないうちに入園申請をすると、入園選考で「育休明け」の点数よりも大幅に低い「求職中」の点数になり、入園が不利になります。

入園申請後に勤務先を退職した場合には、入園選考の公平性を保つために、入園が内定していても取り消しにする自治体もあります。また、上の子がいる場合には、育休中に退職すると上の子が退園になる決まりの自治体も少なくないはずです。

子育てと仕事の両立には、さまざまな障壁が数多くあります。

問題は少しずつ改善されているとは思いますが、先行く人々の苦労を見て、結婚や出産に自信や意欲をもてなくなっている人も増えているように思われます。女性も男性も、子育ても仕事も、普通にやっていける社会にはまだまだです。

「働いて働いて働きます」では、子どもを育てることはできないのです。

普光院 亜紀 「保育園を考える親の会」アドバイザー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ふこういん あき / Aki Fukoin

早稲田大学第一文学部卒。保育園に子どもを預けて働く親のネットワーク「保育園を考える親の会」顧問・アドバイザー。保育ジャーナリスト。大学講師。著書「後悔しない保育園・こども園の選び方」(ひとなる書房)、「不適切保育はなぜ起こる」(2024年6月20日刊行、岩波新書)ほか多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事