135カ国を旅したトラベルジャーナリストが万博へ行ってみた《滞在編》。イタリア館1番get→モナコ館「7500円のコニャック」で締めた長い1日

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場所はモナコパビリオンに併設されたバーだ。ウリは充実したお酒のリスト。ここはモナコの5つ星ホテル「オテル・ド・パリ・モンテカルロ」のカーヴ(ワインセラー)を万博会場で再現したというコンセプト。

グラスの最高値はブルゴーニュの「シャンベルタン グラン・クリュ・ブシャール・ペール・エ・フィス」。1グラス4万円とまちがいなく今回の万博最高値だろう。

筆者が選んだのは「オテル・ド・パリ・モンテカルロ」のカーヴ150周年記念のコニャック。モナコの同ホテル以外で飲めるのは世界中でここだけ。チョコレートつきで1グラス7500円という価格は高いが、これこそプライスレス。コニャックが2万6000歩、歩いた身に染みわたる。

モナコパビリオンのバー
モナコパビリオンのバーで1グラス7500円のコニャックを(写真:筆者撮影)

このバーの3階で外は見えないが、1つ上の4階のフロアをリクエストすれば、アゼルバイジャンのパビリオンや大屋根リングの夜景を堪能することができる。

夜景が楽しめるうえ、待ち時間がやや短くなる夜がおすすめだ。館内は静かで早朝から激戦続きだった身体をようやくクールダウンすることができた。

結局12時間の間に27館(そのうち予約3館)、待ち時間は計1時間44分だった。会場内でしか確認できない「当日予約状況 - 大阪・関西万博 2025」などで確認したが、結局朝一以外の当日予約は1つも確保することができなかった。

旅行好きからみた海外パビリオンの意義と限界

今回の万博をディズニーなどと比較する声も聞かれる。

確かに予約などのディープな情報戦やリピーターのガチ勢など共通する部分もあるが、ディズニーはあくまで私企業が創り出した架空の世界であるのに対し、万博はどこまでいっても現実の社会や国や地域に根差し、その目的は究極教育的なものである。

海外旅行好きの人間としては、自分が旅行者として経験するものと、万博でその国が提示したいものの違いなどが興味深かった。

とはいえパビリオンはあくまでその国のほんの入り口に過ぎず、その背後にははるかに広大なリアルの国家が拡がっており、そのインパクトには到底かなわないことも実感できた。

夜間の大屋根リングは美しい(写真:筆者撮影)
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