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アップルWWDC25で発表された「Liquid Glass」、iPhone・iPad・Macの画面で起きる物理法則が根本から変わる新UIとは

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  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント
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Lockscreen Liquid Glassでは画面上のコンテンツ情報を常に少しでも多く表示できるように、操作部を光の屈折だけで表現された透明な水滴のような光学効果の上に表示する(写真:アップル)

アップルだからこそ作れたユーザーインターフェース

Liquid Glassでは、操作をするうえで必要なボタンやスライダーといった要素が、操作をするときだけ、文章や写真といったコンテンツの上に水滴のような枠の中に現れる(実際にはLiquid Glassだが、便宜上、以下では「水滴」と書く)。

水滴は必要なボタンの数に合わせて、常に最も小さくなるように変形する。

例えば「メモ」アプリではメモを表示中、iPhoneでは画面の下端にメモに対して行う4種類の操作と新規メモ作成の合計5つのボタンが必要になる。今日のiOSでは、画面の下端の表示領域を薄く透けた地で覆って、その上に5つのボタンを等間隔に並べていた。

これに対してLiquid Glassでは画面の左端に横長の水滴の上に表示された4つのボタン、そして右端に新規メモ作成ボタンだけを独立して表示する小さな水滴が現れる。

現行iOSのメモアプリでは画面の下に白いした時を表示してその上に線画のボタンを等間隔で描いていた(左)。Liquid Glassでは現行書類に対して行う操作と新規書類作成が別の塊として扱われ、それぞれの操作ボタンがおさまる最小サイズの水滴の上に表示される(画像:アップル)

情報操作と新規作成という異なる性質の操作を区別しているだけでなく、2種類のボタンの間の領域を覆い隠さずコンテンツ表示に活かしていることも重要な特徴だ。

そもそもボタンそのものが透明度の高い水滴で、その下にどんなものが表示されているかを光を屈折させて感じさせており、完全に覆い隠しはしない。

Musicアプリの利用中、通常は選択中の音楽の再生操作に加えて、ラジオやライブラリなど表示する音楽ソースを切り替えるためのボタンが表示される。しかし、画面をスクロールして音楽を探しているときには、ソースを切り替えることはまずないので、切り替え用ボタンを表示した水滴がスーッと消えてコンテンツの表示領域が増える。

他社の他のユーザーインターフェースが、わかりやすさを追求したり、メーカーやユーザーの個性を讃えるためにボタンに存在感を加えるデザインになっているのに対して、Liquid Glassではその逆でボタンの存在感を常に最小に保ち、存在感を消すことが目標となっている。

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