アップルWWDC25で発表された「Liquid Glass」、iPhone・iPad・Macの画面で起きる物理法則が根本から変わる新UIとは

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マイクロソフトはFluent 2というデザイン言語を採用している。驚くことにWindows専用ではなくmacOS、iOS、Androidもターゲットにしている。これは同社がOfficeなどのアプリを、こうした機器にも提供しているためだ。多様なプラットフォームとデバイスに対応し、どこで使っていても「間違いなくマイクロソフト」と感じられる統一されたブランド体験の提供を重視している。

視認性を追求した「フラットデザイン」

その体験のベースとなっているのがフラットデザインと呼ばれる表現方法だ。アイコンやボタンなどから影などの立体的要素をできるだけ取り除き、シンプルで平面的で見やすさを追求したモダニズムを感じさせるデザインだ。2007年にiPhoneが登場し、より立体的で実写的なアイコンなどで画面の中の世界を表現し、世界中の多くのAndroidスマートフォンなどもそれに追随する動きを見せていた中、2010年に登場したWindows Phone 7で、鮮やかな色で単色塗りつぶしをしたタイルと呼ばれる四角い操作要素で、それとはまったく異なる世界観と操作性を世に示し衝撃を与えた(その後、iPhoneやAndroidもフラットデザインに移行した)。

フラットデザインは画面の構成要素が影など立体的効果もなく、シンプルなデザインだけに、形や大きさが柔軟で異なる画面サイズなどでも成立させやすい。またリアルな描き込みを行う画面デザインと比べてプロセッサへの負荷も小さい。このため価格優先で性能が落ちるWindowsパソコンでも安心して使える。

使用するパソコンの性能も画面の大きさもバリエーションが大きいマイクロソフトでは、フラットデザインが有利だった。

マイクロソフトはこのUIを一時、Windows 8など他製品にも広めたが、操作のしやすさなどの実用性が伴っていなかった部分もあり、Windows 10以後では、より使いやすさとのバランスをとったFluentという別のフラットデザインに移行していった。

現行のFluent 2は、視覚的ノイズ(余計な要素)を減らしたシンプルな見た目でありながらも、単純過ぎて逆に区別がつかなくなることがないように各要素の視認性を向上させ、ユーザーが目当ての行動に促されやすい操作体系を目指して進化している。

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