「桃太郎」「3匹の子ブタ」の”物語の要点”を≪20秒で≫伝えることができますか?「伝えるのが上手な人」がやっている話の『引き算』のコツ
その場合、「桃から生まれた桃太郎が鬼を退治する話」だけでは「すごさ」は伝わりません。必要なのは、全体の物語から「すごさ」のポイントを残しつつ、9割以上の要素を「引き算」すること。
「桃太郎は若く天才的な剣士で、道中で知り合ったイヌ、サル、キジなどのわずかな動物を仲間に引き入れ、大勢の鬼をあっという間に倒した」と説明することです。話すのに10秒程度しかかかりません。
この、わずか10秒程度の表現でも、「経験の浅い若者が、初対面で言葉も通じないであろう動物わずか数匹を連れ、多勢に無勢の中で大勝利を収めた」という桃太郎のすごさは伝わります。
おとぎ話「三匹の子ブタ」の場合も同じです。物語として伝えると、「昔々、お母さんブタと三匹の子ブタがいました。ある日、お母さんブタは『もう大きくなったから、自分たちの家を建てて独り立ちしなさい』と言い、三匹の子ブタはそれぞれ家を建てることにしました。長男のブタは藁(わら)で家を建てました。建てるのは簡単で、すぐに完成しましたが……」と続き、三匹の家を襲うオオカミを撃退するまで語ると3分ぐらいはかかるでしょう。
しかし、エッセンスを伝えるなら、「三匹の子ブタはそれぞれ藁、木、レンガの家を建てた。簡単につくった長男と次男の家はオオカミに壊されたが、三男のブタが苦労して建てたレンガの家は無事だった。大事なことは時間をかけて慎重に取り組むべきだ」とまとめられます。
これなら20秒ほどで伝えられ、物語の教訓も明確に分かります。
「引き算」の仕方
では、どうすれば物語をうまく「引き算」できるのでしょうか? ポイントは3つあります。
誰に何を伝えたいのかをまず考えます。桃太郎なら「すごさ」を伝えたいのか、「物語の流れ」を伝えたいのかで、選ぶエッセンスが変わります。
その話が伝えたい核心は何かを考えます。桃太郎なら「正義を貫く」や「チームワーク」、三匹の子ブタなら、「努力の重要性」や「将来の備え」といった教訓かもしれません。
一度、できる限り短く要約してみます。例えば「桃太郎=鬼退治」「三匹の子ブタ=レンガの家が勝った」とシンプルにし、その後に必要な要素を加えていきます。
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