マスク氏は減税法案が財政赤字を拡大させ、自身が進めてきた支出削減の努力を損ねると主張、トランプ氏は「マスク氏と話すつもりはない」
トランプ米大統領は7日、共和党の減税法案を支持する議員の対抗馬となる民主党候補をイーロン・マスク氏が資金面で支援した場合、「非常に深刻な結果」を招くと警告した。
トランプ氏はNBCニュースとの電話インタビューで、マスク氏との関係を修復する気はないとも発言。両氏の確執は5日に表面化していた。
「私は1期目の政権で彼を支援し、彼を救った。彼とは話すつもりはない」とトランプ氏は述べ、マスク氏を「無礼だ」と非難。関係は終わったと考えていると付け加えた。
世界一の富豪であるマスク氏は、2024年の米大統領選でトランプ氏を支援し、政府効率化省(DOGE)による支出削減の取り組みも主導していた。だが、トランプ政権が成立を目指す大型減税法案にマスク氏が強い反対を表明したことで、両者の関係は劇的に悪化した。
マスク氏は減税法案が財政赤字を拡大させ、自身が進めてきた支出削減の努力を損ねると主張。一方、トランプ大統領らはテスラに恩恵をもたらす電気自動車(EV)向け税額控除を段階的に廃止する方針を法案に盛り込んだ点がマスク氏の反発を招いたと指摘している。
トランプ氏はマスク氏が法案の成立を阻止できるとは考えていないとし、7月4日までに同案が可決されると「非常に自信を持っている」とNBCに語った。
バンス副大統領は7日公開されたポッドキャスト番組で、マスク氏がいずれ「われわれの陣営に戻ってくる」ことに期待を示した。事情に詳しい関係者によると、ポッドキャスト出演に先立ち、トランプ大統領はマスク氏に関して外交的に発言するようバンス氏に促していた。
トランプ氏との確執が表面化したことで、マスク氏の純資産は1日で340億ドル(約4兆9000億円)減少し、テスラは5日に1530億ドル相当の時価総額を失った。
著者:Vincent Lee
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