「日経平均株価は来年5万円に到達、30年には7万円超へ」。エコノミスト エミン・ユルマズ氏インタビュー

米国が4月2日に相互関税を発表した後、日経平均株価は終値ベースで3万1000円台まで下落した。6月3日時点では3万8000円前後に回復しているが、今後の動きをどう見たらよいのか。エコノミストのエミン・ユルマズ氏に聞いた。
スタート地点に戻っただけ
──米中両政府は5月14日、相互に課していた輸入品への追加関税を引き下げました。これで米中対立は落ち着くのでしょうか。
おそらく落ち着かない。もともと対中貿易赤字を問題視する米国が中国へ関税を課したことに対して中国が報復。それに怒った米国がさらなる関税を課し、中国も報復するという“報復合戦”によって関税が引き上げられていったものなので、今回の合意で交渉のスタート地点に戻っただけだ。
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トランプ関税について、もう1つ重要なことがある。中国に先駆けて合意した英国は米国に対して貿易赤字であるにもかかわらず、一律10%の関税が維持された。つまりトランプ関税は貿易収支に関係なく、どの国にもベースとして10%を課すということだ。
──日本政府は関税の「撤廃」を求めています。
トランプ大統領は製造業を戻したい、貿易赤字を正したいと言っているが、本音は減税を継続したいし、新たな減税も導入したいということだと思う。
ただし、何の手も打たずにやってしまうと、財政赤字がさらに膨らんでしまう。減税するために関税という財源を確保するのが、トランプ氏の本当の狙いだ。だから関税を撤廃することはない。
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