「鎌倉が舞台なのがいい…!」長野や金沢パターンもありえた? 人気ドラマ『最後から二番目の恋』の舞台が“鎌倉じゃなきゃダメ”だったワケ

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踏切では、一部のファンによるマナーが問題視されていますが、実際に行ってみると、多くのファンはルールを守ってそれぞれの「聖地巡礼」を楽しんでいるようです。

また、同じく江ノ電沿線の、「稲村ヶ崎」は、映画『稲村ジェーン』(1990年、桑田佳祐監督)の舞台となった場所です。

実際のロケ地は伊豆の海岸がメインだったようですが、古き良き昭和の海岸リゾートの雰囲気を懐かしく思い出すことのできる名作です。ロケ地となった「ヴィーナスカフェ」は、『最後から二番目の恋』でも登場しています。

稲村ヶ崎
映画『稲村ジェーン』の舞台・稲村ヶ崎(筆者撮影)

効果を出した「オーバーツーリズムへの対策」

鎌倉市によれば、2024年に鎌倉市を訪れた観光客数は約1594万人となり、前年比約129.8%となりました。オーバーツーリズムは鎌倉における慢性的な課題となっていますが、地元ではさまざまな工夫が行われています。

江ノ電は、あふれる観光客による影響を少なくするよう、地域住民に対する優先入場の対応を行ったり、観光客の滞留を防ぐためのボランティアガイドの配置などを行うことによって、効果も出始めています。

また、ファンによる聖地巡礼が、住民にも還元されるような仕組み作りも必要です。

鎌倉市では、『最後から二番目の恋』のファンに向けた、ふるさと納税の返礼品を検討しているのだとか。「カフェ・ナガクラ」の店名の入ったタンブラーなど、ファンならぜひ手にしたい魅力的なグッズですね。

また、ロケ地となった御霊神社では、ドラマオリジナルの「御朱印帳」が入手できるようです。

鎌倉
『最後から二番目の恋』で重要な舞台となる「御霊神社」(筆者撮影)

今作のロケ地巡りでは、訪問先がいくつかあるため、人の分散化にもつながり、さらにピーク時間帯をずらすことで、実際に混雑を避けて鎌倉の街を楽しむことができると思います。

これからの鎌倉は、アジサイが美しく咲き乱れる季節。賢く混雑を避けながら、マナーを守って楽しみたいものです。

古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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