伝説の編集長が伝授、会社四季報「夏号」の深読み術。3カ月後の「秋号」でどう書かれるかを予想
3月決算企業で注目したいのは、夏号で【反落】の見出しが付いている銘柄だ。「反落」とは前期増益だった企業が今期は減益に転じること。下図にあるように、実は夏号では毎年反落の見出しが多く、昨年は5位だった。しかし、秋号→新春号→春号と進むにつれて【反落】は減り、代わって秋号からは【上振れ】が増えてくる。期初は慎重だった企業も、その後、業績が上振れる傾向がある。
そうした銘柄の株価パフォーマンスは良好だ。上左表は24年春号を基準としたものだが、見出しが反落だった企業全体の株価騰落率は3カ月後でプラス4.5%、12カ月後でプラス9.1%。TOPIXと比べ驚異的だ。たとえ見出しが反落でも、記事を吟味し次の秋号でどう書かれるかを予想して銘柄選びをすると、高パフォーマンスを得られる可能性がある。
「投資単位の引き下げ」も注目
「投資単位の引き下げ」も継続テーマとして注目しておきたい。東証は投資単位(株価×100株)を50万円未満にするよう求めている。株式分割で最低必要資金が下がれば個人投資家も加わった全員参加型相場へと発展しやすい。昨年1株を10株に分割した三菱重工業株はその典型で、1年で3倍高を演じた。マークしておきたいのは高利回りの値ガサ株だ。中外製薬やブリヂストンは配当利回り3%超。大和工業は株価が上場来高値圏まで上昇したがなお配当利回り4%超だ。分割を期待しつつ中長期で保有しておいて損はない。
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