39年前のゲームは今遊んでも楽しいのか。HD-2Dリメイク版『ドラゴンクエストI&II』が2025年10月30日発売決定も内容の乏しさに懸念
ビデオゲームは常に進歩を続けている文化である。データ容量だけ見ても、ファミリーコンピュータの初代『ドラゴンクエスト』はわずか64KBしかなく、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』になってようやく256KBである。
もちろん、256KBも現在から見ればスマホの写真一枚にも満たない情報量だ。現在の大規模なゲームは数Gから数十GBとなっており、まさしく桁違いの変化を遂げている。
そして、遊びの中身も大きく進化している。ビデオゲームは遊びやすさやおもしろさの改善も続けられているため、操作ひとつをとってもすぐに変化する。それこそ初代『ドラゴンクエスト』は人に話しかけるとき東西南北を指定する必要があったが、いまやそんな面倒なRPGはほとんど存在しないだろう。
ましてや、古い作品は単純に内容が乏しい。初代『ドラゴンクエスト』はひとりで旅をするシンプルな内容だし、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』も3人パーティーにはなったが現代のRPGと比較すれば物足りないし無駄に難しい。古いゲームを遊ぶと、どうしても遊びづらさを感じたり、内容の単純さに驚くことがある。
ロト三部作で最も進化した作品をリメイクしたあとに、『ドラクエ1&2』を発売するのだから、ふつうに考えればこれは無謀である。おまけに価格はフルプライス(約7600円)と完全新作タイトル級だ。なんとも驚くべき事態である。とはいえもちろん、勝算がないわけではないのだろう。
原作の驚きを捨てて、あえて時系列にする挑戦

そもそもの話、ロト三部作は3・1・2の順番で時系列としては正しくなる。つまり、HD-2Dリメイク版では順番どおり遊べるようになるのだ。
もちろん当初はほとんどの人が1・2・3の順番で遊んでいたし、だからこそこの三作品で物語が続いている事実に驚いたのである。とはいえ、この構造についてはダース・ベイダーの正体くらいネタバレされ尽くしているわけで、1・2・3の順で遊んでも当時と同じ衝撃は得られないだろう。
また、ゲーム内容の乏しさにも手を加えているようだ。すでにゲームメディアなどで先行プレイリポートが掲載されており、それによるとこれまでなかった「ちいさなメダル」が出てくるようになったり、特技やイベントが追加されているようだ。

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