NTTドコモが住信SBI銀を買収して銀行業参入へ、約3分の2の株式取得を目指しTOBに入る計画
NTT子会社のNTTドコモは、ネット専業銀行の住信SBIネット銀行を買収する計画だ。
ドコモは29日、買収について「同日、取締役会に付議する予定で、決定した場合は速やかに公表する」と発表。住信SBI株を保有するSBIホールディングスも同様の声明を出した。
日本経済新聞などは同日、ドコモが住信SBIネット銀を買収する方針を固めたと報道。SBIが約34%の保有分全てをドコモに譲渡するという。別の主要株主である三井住友信託銀行は約34%の持ち分を維持する見通しだとしている。
日経新聞によると、ドコモは約3分の2の株式取得を目指し、TOB(株式公開買い付け)に入る計画。同社は携帯大手グループで傘下に銀行を持っていなかったが、この買収により銀行業に参入する。
住信SBI銀の株価は買い気配。NTTの株価は一時前日比1%高の156.5円、SBIの株価は同6.7%高の4376円までそれぞれ上昇した。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、今回の買収はドコモ契約者の囲い込み戦略の一環で、新規を増やすというより解約を阻止する抑止力が期待され、競合他社に「勝つというよりは負けないため」のものだと指摘。ドコモ経済圏の中で投資信託を買うなどの広がりがあれば、別の収益機会も生まれ、ポジティブだとした。
ジェフリーズ証券アナリストの大岩賢、佐藤博子両氏は英文リポートで、「通信インフラを活用した決済が進む中、銀行業への参入は戦略的に重要」とドコモにとっての買収の意義を指摘した。
著者:平野和、古川有希
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