「いい母親になりたいのに、なれない」30代女性が激白する息子との関係/「お母さんがやってあげるからできなくていいよ」20代商社マンの悩み

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「これ以上頑張ったら、上司や同僚たちからもっと期待され、仕事も増え、責任も大きくなる。そう考えると、怖くて仕方がないんです」

うまくいきかけると仕事を投げ出すパターンを繰り返しているので、職場では低い評価に甘んじているといいます。

父親と母親の両極端な子育て

Dさんの父親は叩き上げの経営者であり、彼は父親から「お父さんは苦労して這い上がったんだ。お前も勉強を頑張って立派な人間になるんだぞ」と言われながら育ちました。

Dさんは父親のような経営者になりたいと考え、大学の経営学部に進学。志望していた会社に就職することもできました。

にもかかわらず、どうして急にやる気が出なくなってしまうのか。その原因は父親と母親の両極端な子育てにありました。

Dさんの話によると、母親は一人息子である彼を溺愛し、過保護に育ててきたといいます。

「歯磨きをするときには、歯ブラシに歯磨き粉をつけて目の前まで持っていってあげる」

「着替えの際には、靴下を履かせてあげる」

「学校に持っていく教科書やノートをすべて揃えてあげる」

「一緒にお風呂に入り、髪の毛や背中を洗ってあげる」

このように何から何まで母親が代わりに行い、Dさんがやろうとすると「あなたはやらなくていいのよ」と止められていたそうです。

それだけでなく、母親はDさんのお金をすべて管理し、「あの子とは関わっちゃダメ」などと、友人関係にも口出しをしていました。

そこで私は次のように問いかけました。

「Dさんが何でも1人でできるようになったら、何が起こりそうですか。そうですよね。お母さんに愛されなくなってしまう。あなたはお母さんに見捨てられないために無力でいることを無意識に選んでしまっているのかもしれませんね」

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