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《ガラパゴスは入島税3万円》《マチュピチュは入場制限》 海外の有名観光地「混雑対策」の実情

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  • 浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)
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5月初旬に訪れたアグラ(インド)のタージ・マハルは外国人が1300ルピー(約2200円、タージマハル内部入場料含む)、インド人は250ルピー(約420円、同)。南アジア地域協力連合(SAARC)と環ベンガル湾多分野経済技術協力(BIMSTEC)加盟国は外国人価格の半額程度となる。

タージ・マハル(写真:筆者撮影)

案内してもらった政府公認ガイドのアリ氏に、タージ・マハルの二重価格に対する見解を聞いてみた。

「インドの観光施設のほとんどは無料なんだ。でもタージ・マハルは本当に特別なものだから、施設を維持管理するためにも入場料を徴収している。外国人観光客は少人数で来るだろう。でもインド人は家族や親戚で大人数で来るから、世帯主が4人、5人分払うことになる。だからインド人にとっても小さな負担ではない」

「ほかの国の世界遺産も外国人料金を導入しているところが多い」と言うと、アリ氏は「経済力の差もあるのでは。日本は世界で一番物価が高くてお金持ちの国でしょう。日本人とインド人の入場料が同じだと、不公平に感じる人も多い」と答えた。

マチュピチュは複数の方法で人流分散

世界遺産といっても、マカオやキトの教会群のような宗教建築物は無料で入れるところも多い。その一方、自国民と外国人との二重価格、三重価格を導入しているケースも珍しくない。ひとくくりにはできないし、コロナ禍前から二重価格を設けている施設の多くは来場者抑制のオーバーツーリズム対策というわけではないようだ。

最初の世界遺産の一つである「キトの市街」。教会は無料で入れるところと有料のところがある(写真:筆者撮影)

オーバーツーリズム対策として来場者を抑制する直接的な方法は、二重価格よりも人数制限や事前予約制度だろう。

「空中都市」として名高いペルーの世界遺産、マチュピチュの入場料はペルーと近隣国の観光客が35ドル(約5000円)、外国人は62ドル(約9000円)。外国人価格を導入しているが、経済力を考えればローカルの人々にとっても安い金額ではない。

マチュピチュは入場制限を厳しくすることで、オーバーツーリズムに対処している。かつて同地を訪れた日本人たちから「20年前行ったときは自由にいろんなところに入れた」「規制はほとんどなかった」と聞いたが、その結果構造物の破壊や劣化に直面した地元当局は、サーキット(ルート)を細かく分けてサーキット別のチケットを発行し、入場者数、入場時間、滞在時間など細かなルールを定めた。

マチュピチュ。オンシーズンでもそれほど混雑していない(写真:筆者撮影)

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