「自分の身は自分で守らないといけない」新卒入社3カ月で退職代行を使った彼女の"その後"
「『退職代行を使って辞めたらどんな目に合うかわからない』と追い詰められたような考え方を持っていました。法律事務所なら『会社から訴えられた時に守ってくれそう』と思ったんです」
瑠奈さんが勤めていた企業の規模や業態を考えると、退職の交渉で揉めることは少ないように思える。ただ、上司への相談は精神的な負荷も高い。入社3カ月目で社内に相談相手もいない状況では、退職代行の活用もやむをえなかった。

退職代行に申し込みをした瑠奈さんは、自身の退職に向けた準備を始める。「翌週から出社しない」と決めていたので、その週のうちにパソコンにログインIDとパスワードを書いた付箋を張り、さらに更衣室のロッカーに置いていた私物を持ち帰った。
「翌週にはお客さんを訪問する予定もあったんですよね。上司を含め数人で訪問する予定だったんですけど、同行する方に必要な書類を渡しておきました。何も伝えずに辞めることに対しての後ろめたさがあったんですよね……。可能な限り、迷惑をかけないようにしようと思っていました」
退職の交渉は勤務先とのやり取りを代行してもらう
「そのときの法律事務所とはこんな風にやり取りをしていました」
瑠奈さんが見せてくれたLINEの画面には退職するまでの記録が残っていた。瑠奈さんが最終出社日と決めた金曜日の夜中には「退職の通知」と表題がついた文書が届いている。文書の右上には法律事務所と数名の弁護士の名前が記載されていて、その上に四角形の社印が押されていた。
迎えた月曜日、法律事務所は瑠奈さんの勤務先へ退職の意思を電話で伝え、退職の通知書を送付したという。
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