「不動産、これから買うならどこ?」 不動産エージェント会社が注目「東京のエリア2つ」を紹介、暮らしやすさと災害時に注意したいポイント

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ただし、洪水ハザードマップを見ると、住吉駅周辺は大部分が0.5〜3mの浸水想定エリアに該当しています。江東区は低地で、なかには海抜ゼロメートル地帯もあります。物件を選ぶ際は、水害への備えを万全にしていることを外せない条件として考えたほうがいいでしょう。

注目エリア2「西東京市・田無駅周辺」

続いて紹介するのは、同じ東京でも都下の西東京市に位置する田無駅の周辺です。西東京市は東京23区の練馬区と隣接。人気の繁華街・吉祥寺を擁する武蔵野市とも隣り合っています。

田無駅は西武新宿駅と埼玉県の本川越駅を結ぶ西武新宿線沿いの駅で、急行停車駅です。西武新宿駅までの所要時間は約30分。西武新宿駅はJR新宿駅から徒歩6〜10分程度離れていてやや不便ですが、途中の高田馬場駅でJR山手線や東西線に、中井駅で都営大江戸線に乗り換えられることもあって、都心へのアクセスは良好です。

西武新宿線の急行が停まらない駅の周辺は、新宿区内の都心エリアを除き、比較的地価や賃料が安くなっています。その中で言うと、急行が停まる田無駅周辺は不動産相場がやや高めになっているものの、交通や生活利便性と価格のバランスはとれています。

田無駅周辺には超大型の商業施設こそありませんが、駅の北側を中心に中規模モールやスーパーマーケット、ドラッグストアなどが揃っており、生活利便性に不足はありません。

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駅の南側は都市計画道路事業により、ロータリーが設営される予定。基本的に治安は良く、住宅街は戸建が多いため、戸建希望の人に特におすすめできます。

田無の一帯は、標高が高くて地盤が強いと言われる武蔵野台地上に位置します。武蔵野台地はところどころに揺れやすい地点もあるものの、総じて地震の揺れに強く、建物を建てる際に地盤補強などが不要になることも多いエリアです。

ハザードマップで浸水想定区域に該当しないエリアが多いのも安心材料です。ただ、田無駅の南側を東西に流れる石神井川は、過去に流域でたびたび洪水が発生してきました。長年にわたって調整池の整備などが進められてきたものの、災害の激甚化によって今後も洪水の恐れは残るため、周辺で家を買う際には水害対策に留意すべきでしょう。

東京の注目エリア
東京の注目エリア(画像:『2030年の不動産』)
長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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