株価も2020年11月から緩やかに下値を切り上げる展開が続いている。ただ、同社の場合、株主から集めた資金を使って効率的に稼ぐ力を示すROE(自己資本利益率)が2.6%と低いため、「割安優良株」と評価されて多くの見直し買いが入るには、この点の改善が必要だろう。
大日精化工業や油研工業が上位に
2位は顔料・着色剤の中堅化学メーカーで1931年創業の大日精化工業。PBRは0.42倍。今2025年3月期の営業利益は前期比51%増の69億円と堅調。川口工場(埼玉県)の土地売却による特別利益(約77億円)も発生して純利益が膨らむため、配当を前期の110円から156円にまで増やす。
四季報では来2026年3月期についても営業増益を予想。土地売却特益がなくなるため純利益は減るが、売却益を原資とした特別配当30円を2027年3月期まで継続する予定。株価は2024年6月から調整局面だったが、2025年2月はじめから反騰ムードを鮮明にしており、先行きを期待できそうだ。
ランキング3位は油研工業で、0.44倍だった。油圧機器の専業総合メーカーで、市場成長の余地が大きいインドでの事業展開に力を入れている。今2025年3月期は2桁の営業増益、来2026年3月期は小幅増益を確保する見通しで、株価も堅調に推移している。
4位は自動車ばねの大手メーカーで、トヨタ系向けが6割弱を占める中央発條はPBR0.47倍。今2025年3月期は販売価格の改定などで営業利益が前期から急回復、来2026年3月期はトヨタ車の増産を追い風に連続増益見通しだ。
『会社四季報プロ500』2025年春号では、編集部がピックアップした500銘柄について「低PBR」のほかにも、株主から調達した資金で効率的に利益を上げている「高ROE」や、株価に対する配当金額が高い「高利回り」などの役立つランキングも掲載しており、こちらも参考にしてほしい。
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