「なんとしても狂歌本でヒットを生み出したい…」大河主人公・蔦屋重三郎が打って出た"賭け"

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大河ドラマ べらぼう 蔦屋重三郎
吉原神社(写真: Masa / PIXTA)
今年の大河ドラマ『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』は横浜流星さんが主演を務めます。今回は重三郎が出版した狂歌本のヒットの背景を解説します。
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狂歌師と浮世絵師の組み合わせを思いつく

狂歌界の重要メンバーを押さえ、狂歌本の出版に乗り出した蔦屋重三郎。しかし、大事なのはこれからです。ユニークで良質な狂歌本を刊行していくことこそが、何よりも重要だからです。

重三郎の交際は、戯作者(通俗小説家)・狂歌師・浮世絵師など多岐にわたっていました。かつて、戯作(通俗小説)と浮世絵が組み合わさって「黄表紙」(江戸時代中期以降に数多く出版された絵を主とする小説。黄色の表紙であったことから、黄表紙と呼ばれた)という新しい文芸スタイルが誕生しました。

重三郎は、そこから着想を得て、狂歌師と浮世絵師を組み合わせた「狂歌絵本」を刊行しようとしたのです。

狂歌ではないのですが、それまでにも、似たような出版物はありました。

例えば、浮世絵師・鈴木春信(1725?〜1770)の美人画と俳諧を組み合わせた『絵本青楼美人合』(全5巻・総計167図)もその1つと言えるでしょう。

同書は、1760年代に実在した遊女を描いたもので、遊女画の上部には、遊女が詠んだ俳諧が記されています。

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