第2次トランプ政権の下で米国株には追い風が吹くが、セクターやテーマごとに明暗が分かれている。

米大統領に就任して間もなく、ドナルド・トランプ氏は関税策への言及を開始。2月4日には中国に対して追加関税を発動し、中国側は報復措置を講じた。カナダとメキシコに対しては25%の追加関税を発表。足元では鉄鋼や自動車、半導体など個別品目への関税にも言及している。
第1次政権では2017年4月に鉄鋼・アルミニウムの調査を開始し、8月に中国に対して知的財産権侵害などの調査を始めたが、実際に関税が発動されたのは翌18年7月からだった。対照的に、足元では急ピッチで関税策を進めている。米国株の銘柄選びでは、まず関税策の影響を見極めたい。
とはいえトランプ政権は減税や規制緩和をはじめとするポジティブな政策も講じることで、全体のバランスを保っていくと筆者はみている。例えば中国、カナダ、メキシコへの関税が導入されても、「トランプ減税」が延長されれば家計所得全体への影響は小さくなると試算されている(ピーターソン国際経済研究所)。
「IT」と「ヘルスケア」が高成長
一方、米企業業績の堅調な伸びへの期待は高いままだ。下図は主要株価指数「S&P500」のセクター別の純利益増加率を示している。S&P500全体では24年、25年だけでなく26年も2桁増益が続くと予想されている。セクター別では「IT(情報技術)」、「ヘルスケア」、「コミュニケーション・サービス」などが堅調だ。企業の成長力に着目した投資戦略の有効さが持続すると考えられる。

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