「仕事も家庭も大切に」仲間由紀恵が語る生き方 「トリック」堤幸彦監督と10年ぶりのタッグ

子どもの成長を見るのは、母親にとって大きな喜びであり誇りでもある。だが同時に、「このままでいいのだろうか?」と、ふと立ち止まる瞬間もあるという。
「朱音もそうです。生活の厳しさや母親としての責任感に押しつぶされそうになりながら、それでも家族を支えようとする。でも、ふと気づくんです——子どもはいつの間にか前を向いて進んでいるのに、自分は取り残されているような気がする、と」
仲間さん自身も、この感覚には深く共感したそうだ。
「母親として、そしてひとりの女性としての葛藤。それは誰もが抱えるものだと思います」
「大人が救われる瞬間——それは、子どものまっすぐな眼差し」

映画の中で最も印象に残ったシーンを尋ねると、仲間さんは迷わず答えた。
「海辺で、息子の踊と話すシーンです。朱音はもう人生どん底で、希望もなくて……でも、その朱音を見つめる踊の目がまっすぐで、まるで『お母さん、大丈夫だよ』と語りかけているようで」
その瞬間、仲間さん自身も大きな気づきを得たという。
「子どもって、どんな状況でも親を見捨てないんですよね。むしろ、子どもの存在そのものが希望なんです。どれだけ大変でも、子どもは親を支えようとしてくれる。時には、大人の方が子どもに救われるんだなと実感しました」
この映画は、親が子どもを支えるだけではなく、子どもが親を支え、導いていく姿を描いた物語だ。
「母親だからといってすべてを背負い込む必要はない。不器用でも、迷いながらでも、子どもたちの存在が私たちに力をくれる。そんなことを改めて感じました」
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