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財務省解体デモは「二・二六」の歴史の韻を踏むか 政府の借金が大きくなるのが問題ではない

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2月21日、財務省の前で「財務省解体」などを訴えるデモが発生。参加者は1000人規模との報道もあった (写真:時事)

「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」。アメリカの作家マーク・トウェインの言葉として有名なこの警句は、過去と比べてまったく同じことが繰り返されることはないが、似たようなことが起きるという意味だ。

日本は1920年代に入り、第1次世界大戦特需の反動、関東大震災の影響などもあり、不況に陥った。そんな中、1929年に発生した米国株の暴落を発端とする世界大恐慌と近いタイミングで金本位制に復帰したこともあり、日本経済は深刻なデフレに陥った。

そうした状況下、1931年に再び大蔵相に就任した高橋是清は、金本位制を廃止し、日本銀行に国債を直接引き受けてもらい、財政支出を増やして、デフレ脱却に成功した。

もともと1ドル=1円から始まったドル円相場は、高橋蔵相が金本位制を廃止する直前には1ドル=2円となっていた。そして金本位制廃止、日銀による国債引き受け、財政拡張、デフレ脱却という流れの中で、1ドル=4円台後半程度まで急速な円安が進んだ。

しかし高橋蔵相は、もともとこうした施策はデフレ脱却に向けた一時的な手段と考えていたため、実際にデフレ脱却に成功したことを受けて、日銀による国債引き受けをやめ、緊縮財政政策を導入しようとした。

高橋蔵相の"その後"が示唆するもの

ここまでの流れは、現代も同じことが繰り返されているわけではないが、似たようなことが起きているといえるのではないか。

足元のデフレ脱却が日銀による巨額の国債買い入れのおかげだとは思わないが、結果的に日銀が国債を大量に買い入れ、デフレを脱却したので、今後は国債買い入れを減らし、金融政策正常化に向かおうとしている。この流れは、当時と似たものとなっている。

そうなると、これから先の展開を占ううえで、高橋蔵相が日銀による国債引き受けをやめ、緊縮財政を導入しようとした後、どうなったかが気になる。

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