ファミリー向け「デュカト」新キャンパーの正体 大人5人就寝可能な新型「ジョイア」に迫る

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トイファクトリーのハイエースをベースにしたキャンピングカー
トイファクトリーのハイエースをベースにしたキャンピングカー「バーデン(30thアニバーサリーモデル)」(筆者撮影)

だが、一方で「全国のトヨタディーラーへ割り当てる台数が例年にないほど極度に少ない状態」。そのため、人気が高いハイエース・ベースのキャンピングカーも、「受注に対し生産数が極端に追いつかない」状態が続いているという。さらに、ハイエースの生産については「(2025年の)秋頃に再度休止が見込まれる」といったウワサさえある。この話が本当であれば、ベース車の安定供給が見込めない状態が今後も続く恐れすらある。ハイエース・ベースのキャンピングカーを作る各メーカーにとって「先の読めない困った状態」が起きているのだ。

とくに従来、ハイエースのキャンピングカーを主力とするメーカーにとっては死活問題ですらある。トイファクトリーが今回デュカト・ベースの新作モデルを発表し、ラインナップを充実させようとしている背景には、そんなベース車に関わる事情もあるようだ。

国産商用バンとのシェア争い

ジョイアのリビングスペース
ジョイアのリビングスペース(筆者撮影)

ちなみにハイエースと同様の商用バンには、日産自動車(以下、日産)の「キャラバン」もある。だが、こちらも、複数の業界関係者が「現在は納車遅れが生じている」と語っている。どうもハイエースのベース車が入手困難なことで、キャラバンへの需要が増えすぎたことが要因のようだ。ただでさえ、現在、日産は、経営立て直しで工場や人員の整理などに追われている最中。せっかくの「ライバル(ハイエース)がいない間のビジネスチャンス」であるにもかかわらず、好機をモノにできにくい状態のようだ。

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ともあれ、デュカトをベースとするキャンピングカーに対し、市場が今度どのような反応を示すのかが注目だ。とくにジョイアのようなファミリー向けモデルが、ハイエースなど国産の商用バンをベースとするモデルに取って代われるのかが気になるところだ。ハイエースのキャンピングカーも、高級仕様であれば1000万円を超える。

価格面ではジョイアはほぼ互角だといえそうだ。需要増が続くキャンピングカー業界で、デュカトのキャンパーが意外な伏兵となり、新たなトレンドとなる可能性も十分にありそうだ。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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