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イスラム国に殺害された後藤健二さんの生き方 「召命」ゆえの決断と行動の善悪を他人が問えるのか

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フリージャーナリスト後藤健二氏
(写真:アフロ)

2015年にフリージャーナリストの後藤健二さんが亡くなってから、10年が経つ(享年47)。中東を中心に紛争地域での取材を精力的に続けていたジャーナリストだった。当時シリアを中心とする過激派組織イスラム国(IS)に殺害されたことが、同年1月31日にわかる。

後藤さんは14年10月にシリアに入ったものの、連絡が途絶。その後、ISの関係者を名乗る人物から身代金を要求するメールが家族に届いたという。翌15年1月20日、同時期にIS支配地域に入っていた民間軍事会社経営の湯川遥菜さんとの映像が流れ、ISは日本政府に要求した。「2億ドルの身代金を支払わないと殺害する」。

日本政府もヨルダンに対策本部を設置して情報収集に当たるが、後藤さんは結局、1月30日に殺害されていた。その後、日本の世論はとても冷淡だった。お決まりの「自己責任論」である。好きで行って何をしている、国に迷惑をかけるな、と。

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