核兵器と気候変動「世界終末時計」が示す警告 2025年"残り89秒"核の脅威と気候危機を警告

2025年1月、世界が終わるまでを象徴的に表す「世界終末時計」の最新の時刻が発表された。ロシアによるウクライナ侵攻は終わる兆しもなく、アメリカでは大統領選挙によって社会の分断がさらに進んだように見え、また、インターネット上の言論も極端化しつつあるいまの世の中で、世界終末時計はわれわれに何を警告しているのだろうか。
「世界が終わる時」は午前0時
1984年8月、イギリスのメタルバンド、アイアン・メイデンは冷戦の緊張高まる世界状況をテーマに取り上げたシングル曲、『悪夢の最終兵器(絶滅2分前)』をリリースした。
いまも同バンドのライブコンサートにおける定番曲で、核戦争と核兵器開発競争を批判するこの曲の原題は『2 Minutes to Midnight』であり、科学学術誌『原子力科学者会報(Bulletin of the Atomic Scientists:BAS)』がその表紙に描いている「世界終末時計」をモチーフとしている。
世界終末時計は、その年の「人類が世界の終わりにどのぐらいまで近づいているか」を比喩的に表現し午前0時を「世界が終わる時」に例えている。

アイアン・メイデンが5作目となるアルバム『パワースレイヴ』の準備にとりかかっていた1983年は、アメリカ合衆国とソビエト連邦(現在のロシア)による、いわゆる冷戦が続いていた時代だ。
この年、米ソは軍縮のための中距離核戦力(INF)交渉、戦略兵器削減交渉(START)などを行ったが、いずれも大した進展なく暗礁に乗り上げてしまい、世界的に緊張感が増す結果に終わっていた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら