"M-1"1点差で4位に「エバース」の大躍進の裏側 「桜の木の下」ネタが話題、実は苦労人の一面も
2016年、正式にコンビを結成。NSC東京校の同期として出会い、各々が組んでいたコンビを解散後、佐々木の元相方に町田を紹介された。2人とも学生時代に野球をやっていたことから、バントの構えからバットを引いてボールを見逃す野球用語“エバース”をコンビ名にしたという。
佐々木は、幼少期に『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)、M-1が始まってからは笑い飯、千鳥、ダイアンといった漫才コンビにハマり、お笑いが好きになった。それほどお笑い番組を見ていなかった町田は、根っからのイジられキャラだったことから芸人向きだと考えてNSCに入学している。
駆け出し時代は、鳴かず飛ばず。ヨシモト∞ホールに出演していた4年間は、バトルライブで勝ち上がるシステム(上から「ファーストクラス」「セカンドクラス」「サードクラス」「トライアルクラス」の4段階)の一番下のクラスから抜け出せなかった。それでも、オズワルド・伊藤俊介と接点を持ち始めてから一筋の光が見え始める。
神保町よしもとに移ったことが転機に
神保町よしもと漫才劇場に所属が移ると、少しずつウケるようになった。ちょうどコロナ禍に入ったことで、ファンの出待ちが禁止になり客層が変わった可能性もあるという。『コロコロチキチキペッパーズのよろチキチャンネル』のYouTube動画(2024年9月11日配信回)の中で、佐々木は「お笑いファンのお客さんになったら、野球ネタとかもウケるようになって」と語っている。
いずれにしろ、神保町の劇場でエバースはみるみる存在感を示し、それまで格上と感じていた芸人とも「戦える」と自信を持つようになった。昨年3月には、劇場のネタバトル「Jimbochoグランプリ」でM-1王者になったばかりの令和ロマンを抑えて総合優勝。今や劇場の顔となっている。
今年1月には、地上波初となる冠番組『エバースの知らぬが冠』(テレビ朝日。全4回)がスタート。その勢いは、わかりやすくバラエティーにも波及し始めている。
番組内容は、全4回で構成された町田のドッキリ企画。かねて町田の面白さは、芸人たちの間で知れ渡っていたようだ。佐々木曰く、「心はナルシスト」で楽屋では芸人仲間とほとんどしゃべらない。その“格好つけ”のスタンスが仇となり、「舐められにいってないのに、全員に舐められてる」状態になっているという。182cmと高身長の割に、なぜか威圧感がないのも親しまれる理由の1つだ。
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