自分より「推し」の成功を望む若者たちのリアル 「世界一幸せな衰退国」日本の歪んだ幸福感
平成時代を総括すると、「停滞した豊かな社会」ということができる。昭和ではあたりまえに実現できていた、男性は仕事で努力すれば評価され、男女とも結婚して子どもを持ち豊かな生活を築くという、将来への希望が持てない人たちが増えていく。平成はそのような時代であった。
「自分では無理」と思う人々
そして、令和になると、希望格差が固定化する傾向が強まっている。現実では努力しても、世代内でも(その人の人生の中でも)、世代間でも(子どもの世代になっても)、報われないと思う人々が増え、なかなか将来への希望が持てなくなっている。
一部の者は、停滞する中でも、自分が思い描く夢を実現していくことはできる。しかし、それは、能力が特段秀でていたり、親に恵まれていたりするなど、限られた人々になりつつある。少なくとも、多くの人は、「自分では無理」と思うようになっている。
テレビなどマスコミが、「貧しい親の元に生まれたけれど、努力して成功し豊かになった」人の実例を取り上げて宣伝することは、いまだに行われている。もちろん、今でもそのようなケースはあるだろう。
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